『今日も拒まれてます』インタビュー後編――夫にセックスを拒まれて土下座した“私”が、救われた言葉とは
土下座事件のあと、ポレ美夫婦は夫の両親や姉夫婦と一緒に家族旅行に出かける。気が沈むばかりのポレ美だったが、なんとか気持ちを切り替え、平常を装っていた。そんな中、義理の父に子作りについて質問される場面が。思わず本当のことを話しそうになるポレ美だったが、その気配を察した夫が「積極的に妊活している」と嘘をつく。2人きりになった時に、なぜあんなデタラメを言ったのかと問うたポレ美に、夫は「なぜ僕を怒るの」「ポレちゃんを守ろうとしただけ」だと返す。思わず黙りこんだポレ美に対し、夫はさらに「じゃあ聞くけど、どっちが悪い?」「ポレちゃんを守ろうとした僕と、家族の前で本当のことを言おうとしたポレちゃん、どっちが悪いかな?」と責めはじめる。その勢いに気圧されたポレ美が「悪いのは私だね、ごめんなさい」と謝ると、夫は「分かってくれたらいいんだ」と満足気な顔を浮かべる。釈然としない思いを抱き続けていたポレ美は、だんだんと精神を病んでいき、うつ病の診断を下されてしまうのだった。
――山木さんは、すべての責任をポレ美さんに負わせて、先回りして封じ込めるようなやり方をされていますよね。ポレ美さんが正しい判断ができない人間だ、と決めつけている節があります。これは一般的に“モラハラ”ともいえる要素かなと。
ポレ美 そうかもしれません。何を言っても言い負かされるみたいな……。
――この作品を描こうと思ったのは、問題提起として世に伝えたいという気持ちがあったのでしょうか。
ポレ美 はい。いまのところ解決方法を示してあげられる漫画ではないのですけれど、セックスレスで悩んでる人が「私だけじゃない」と思ってもらえればと。手助け、なんて言い方は偉そうですが、ちょっとでも読んでくださった方の心が晴れたらいいなと思っています。
――2月半ばの連載段階では、置き手紙をして山木さんの元を去るなど、不穏な気配を感じさせる展開になってきました。かなり身を削って描いていらっしゃるのでは、と思いますが。