サイゾーウーマンカルチャーインタビューホストの進化する人心掌握術!? 女心を刺激する「プロフェッショナル育成セミナー」 カルチャー ホストの進化する人心掌握術!? 女心を刺激する「プロフェッショナル育成セミナー」 2018/02/16 21:00 愛本店をはじめ31店舗のホストクラブ運営を統括する巻田氏 2005年に城咲仁が芸能界デビューし12年。先日はフジテレビの“良心”こと『ザ・ノンフィクション』で40歳の高齢ホストの苦悩が放送され話題となった。世間に広く浸透したホストという職業だが、その黎明期から業界を見続け、現在は新宿歌舞伎町のホストクラブ「愛 本店」も含め、全国で31ものホストクラブを運営するグループダンディ(以下、gd)COO・巻田隆之氏は、ホスト業界の活性化に努め、さまざまな取り組みを行っている。 愛の文字が映える、ホストクラブ発祥の地「愛 本店」 ■ビジネス心理学を極めたホストクラブの経営とは(新しい経営スタイル) ――巻田さんが、この業界に入ったきっかけは何だったのでしょうか? 巻田隆之氏(以下、巻田) 演劇やバンドがしたくて上京したのですが、そうすると昼間は練習や稽古で働けない。夜に働ける職業というのがきっかけで、当時から歌舞伎町の店に入りました。ホストの世界は、わかりやすかったんですよね。頑張ったら頑張った分だけ手に入るし、仲間と共にお店を発展させていくのが楽しくて。 ――それから、お店を経営する側になったのですね。 巻田 お店が発展してどんどん人数が増えるにつれて、みんな独立願望を持ち始めます。そこでうちのグループは、「独立したい人は独立できる」という方法を打ち出しました。実は、昔のホスト業界では自分のところでホストをどれだけ囲えるか、ということが全てだったので、独立なんてご法度。当時にしてみればかなり前衛的でした。ただ、そうやって、自分のお店を出したいというホストは、女性を喜ばせることは得意でも、経営は素人なんです。そのためうちでは独立した後も、経営やマネージメントをコンサルティングの形で支援しております。 ――会議や勉強会などは頻繁に行われているのでしょうか? 巻田 はい。経営をサポートするにあたり、さまざまな会議や、幹部の勉強会「寺子屋」というものがあります。幹部や代表などに、本を読みながらワークショップやセッションを行い、心理的作用や部下のモチベーションを上げるためのマネジメント研修を定期的に行っています。そういった研修を行うために、数年前から本格的にビジネス心理学を学び始めました。 現役ホストの営業スタイルの多様化「オラ営」「SNS」「病み営」 ――ホストになる男性には、どういった人が多いのでしょうか? 巻田 昔とだいぶ変わりましたね。私はホストになって約25年なのですが、当時は暴走族上がりの子やヤンチャな男の子が多かったんです。おかげさまで、ここ15年ほどでテレビ番組などにおいてホストが取り上げられることがずいぶん増え、おかげでかなり認知いただくようになりました。しかし、それ以前はほとんど情報もありませんでした。 ――よくわからない夜の世界に身を投じるには、ヤンキー的なマインドが欠かせなかったのかもしれないですね。 巻田 今もそういった子はいますが、業界の認知度が増したために普通の男の子が増えました。「大学生が週3だけ働く」という、アルバイト感覚なスタイルといいますか。半面、ヤンキーっぽい子は「自分は勉強ができないからこれで行くしかない」という覚悟のある子が多いです。お客様にも俺についてこいと強気で行く、オラオラ営業の「オラ営」の子が多いかもしれません。 ――「オラ営」以外に、ホストにはどのような営業スタイルがあるのでしょうか? 巻田 知的な会話でお客様を楽しませることを、強みにしたホストもいます。最近ではSNSを駆使する子も人気が高いですね。自分の整形のビフォアーアフターをSNSで紹介している子もいますよ。こういうタイプは面白さがウリなので、友達感覚で来るカジュアルなお客様が多いです。ほかには「病み営」があります。「病んだ営業」ですね。「つらい」「しんどい」などとSNSに投稿して、お客様からの同情をひく営業手法です。 ――素人女性でもSNSに病んでることを投稿する人は結構いますが、ホストの営業スタイルでも「病み」があるんですね。 巻田 あまり健康的ではないのでお勧めできないですけどね(苦笑)。 売れているホストと売れないホストは何が違う? 店内にはバンドセットもあり生演奏で歌える。SNS投稿用のアイテムも完備。 ――ヤンキー風なホストもいれば、普通の大学生風情のホストもいて、ベテランの方もいる。個性勝負の仕事とはいえ、それをまとめていくのは簡単ではなさそうですが。 巻田 ホストクラブの経営は、管理者、マネージャー層の教育がとても大切です。きかんぼうなホストが多いですから(笑)。売れっ子ホストになれば、若くしてサラリーマンではとても稼げないようなお給料を手にしてしまいます。売上が上がってたくさんのお金を持ってしまったことで、「自分たち売上のおかげで給料をもらっているんだから」と、マネージャーに対しての態度が横柄になってしまう。さらに仕事柄どうしてもお酒も入ってしまいますから。 ――売れっ子とそうでないホストは、どこが違うと思いますか? 巻田 いくつかありますが、そのうちの1つがゴールの有無ですね。最初から明らかにゴールを立てているタイプもいますし、最初はふわっとしていたけれど、うまくいったから徐々にゴールが見えてきたタイプもいます。ゴールがないと、カーナビで行き先をセットしないまま走るのと同じです。行き当たりばったりになってしまうんですね。 ――gdでは『ホストの学校』という講座も開いていますが、そうした売れっ子教育を行っているんですか? 巻田 学校を開いたきっかけは、「なぜ同じことをしていて、大差がないように見えるA君とB君で売り上げが大きく違うのだろう?」「何千万円売る人は何をしていたんだろう?」「逆に売れていない人は何ができていなかったんだろう?」といった、素朴な疑問からでした。 もともと人間の心に関することが好きだったので、NLPという米国の心理学、ナポレオン・ヒル・プログラム、アドラー心理学などを習得していく中で、その答えを見つけてきました。ですので、gdでは容姿があまりよくなくても、売上が0だったホストでも、教育によって売れっ子ホストに育てることができます。容姿は大きい要素ではありますが、絶対ではないですね。そうしたノウハウを、ホストの人や、また、ホストに限らず、営業の仕事などをしている方に広く知っていただきたいと思い、一般の方向けに開講したのが「ホストの学校」です。 愛トリビア・お店で一番高いお酒は1本1500万! 華やかに展示される、1本1500万円の酒 ――ところで、愛本店の創業者は一定年齢以上の人なら知っている、メディアでもおなじみだったヒゲの愛田社長でしたね。 巻田 愛本店に経営で入ることになったのは3年半前からです。ワンマンオーナーであった愛田社長が脳梗塞で倒れられ、そのあとの経営が厳しくなってしまい、運営を任されるようになりました。 ――ちなみに、店で一番高いお酒はおいくらでしょうか? 巻田 ブラックパール、1本1500万円になります。年に1本出るか、というくらいですね。なお、シャンパンは3万円から抜けます。これにサービス料と消費税がかかってくるのですが。 ――3万円なら頑張れば手が届く夢ですね。最後に、愛本店を楽しむコツはありますか? 巻田 営業時間は午後7時から翌1時ですが、おすすめは午後9時ですね。売れっ子のホストはお客様と同伴出勤すれば遅刻になりません。9時くらいになるとそんな「売れっ子」たちが出勤してきますので華やぎますよ。 * * 声も佇まいも穏やかで、「あなたの話、聞いてます」オーラが周囲にあふれ出ている巻田氏は、ホストというよりもカウンセラーや、“非オラ系”の経営者の放つムードによく似ていた。ホストから離れていたときは、宝石営業をしていたとのことだが、さぞや売る営業マンだっただろう。 この記事は4回シリーズ構成になっている。2回目以降は、歌舞伎町なら知らぬ者はいない有名ホスト、壱氏や流星氏が登場し、女性に高額な商品をいとも簡単に買わせるトークテクニックについて語っていく予定だ。 (石徹白未亜) ・クラブ「愛 本店」 ・当コンテンツはインフォメーションです。 最終更新:2018/02/19 12:21 次の記事 NEWS・小山、無許可でツアー発表に批判噴出 >