サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー女が惚れる女で迷走する「GINGER」 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「GINGER」2月号 「GINGER」、“女が惚れる女”のファッションで大迷走!? 「もはや仮装」のトホホな展開に 2018/01/25 22:21 GINGER女性誌レビュー 「GINGER」2月号(幻冬舎) ドラマ『失恋ショコラティエ』(フジテレビ系)の小悪魔ヒロイン・サエコさんを皮切りに、映画『シン・ゴジラ』ではバイリンガル米大統領特使カヨコ・アン・パタースン、ドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール』(日本テレビ系)ではド派手ファッション女・河野悦子、そして現在放送中のドラマ『アンナチュラル』(TBS)では悲しい過去を持つ法医解剖医・三澄ミコトと、個性的で癖のある役柄を演じ続けているさとみ。 どの役も高評価で、まさに今月号のインタビューページに添えられたキャッチコピー「変幻自在。いつも真新しい女(ひと)」通りの演技力に脱帽です。しかし、その姿を読者に対して「自由」で「媚びない」生き方として提示してしまうのは、ちょっと違う気もします。だって彼女は女優の仕事を全うしているだけだから……。もし職場に毎日まったく違うイメージの女がいたら、「自由でカッコイイ!」とあこがれるどころか、「情緒不安定なのかな?」「迷走してるのでは?」と心配になっちゃいますよね。それでは、早速中身を見ていきましょう~。 <トピックス> ◎強さと女っぽさのベストバランス ◎夏木マリという生き方 ◎強運にのる9のアクション ■媚びたくないのに媚びてしまう 最初に見ていくのはメインファッション企画「強さと女っぽさのベストバランス」です。こちらも今月の特集テーマを念頭に「同じ女性で惚れこんでしまうような、キレ味のいい女っぽさはどうすればいいの?」と始まります。「必要なのは、甘さ控えめな色っぽさ」だそうで、「メンズ風味な服をレディに着る」「色で少量のエッジを加える」「柄モノでも品をキープ」といったアドバイスは、まあ、わかります。ゆるいシルエットのカーゴパンツもアシンメトリーの小花柄ワンピースも、可愛い。 しかし「プレーンな服に小物だけ超トレンド」「甘ディティールは“大袈裟”がルール」「セオリー度外視の自由なMIX感」あたりから、よくわからなくなってきます。紹介されている「コルセットベルト」「ジョッキー帽」「BIGボウ(ボウタイリボン)」といったアイテムは、一般人には使いこなすのが難しそう。一歩間違えば仮装アイテムです。でもオシャレに着こなせていれば女モテ……するのか? とりあえず、男モテは完全に捨ててそう。 「GINGER」女子が恋愛下手なのは過去のさまざまな企画により明らかですが、ここにきて唐突な「女が惚れる女」特集。ついに恋愛を捨てたということなのでしょうか。まあ、恋愛なんてしたい人がすればいいわけで、趣味みたいなものですから、それは別にいいのです。ただ、やはり「GINGER」女子は「誰かにあこがれられたい」という欲求は捨てきれないものなのですね。もちろん「こんな人になりたい」という目標を立てるのは悪いことではありません。最初は真似をすることから始めるのもいいでしょう。しかし、もっと自由な気持ちで、自分が好きだったり似合う服を着たり、自分の好きなことをすることが、結果として周りの人々から好感を持たれるのではないか、と思わずにいられません。というか、他人に好かれるような服や行動を選択することは、それこそさとみに投影している「媚びない」イメージとは魔逆で、「媚びてる」ってことなのでは……。 次のページ 夏木マリの一言が今月号の総括 12次のページ Amazon GINGER(ジンジャー) 2018年 02 月号 [雑誌] 関連記事 「1人映画は恥ずかしい」炎上を経て……「GINGER」女子の“自意識過剰”が大暴走!!男の“体目当て”をまったく見抜けない!? 「GINGER」アラサー向け片想い企画が「中学生レベル」田中みな実の“アラサー独女自虐”が浮き彫りにする、「GINGER」女子の生きづらさ“ルブタン特集”で読者をマウンティング!? 「GINGER」の突然変異に募る不安「GINGER」が自己啓発雑誌に!? 全編“愛”というテーマのインタビューで読者を説教!!