「彼の“公の顔”は立派」DV逮捕の三橋貴明、元妻が綴っていた鋭い人物描写
そしてもう1つ、興味深いのはさかき氏がDV・虐殺とは別に、三橋氏の政治スタンスに対して違和感を表明していたことだ。それが今年1月8日、さかき氏が読書サイト「シミルボン」に投稿したコラムだ。
16年11月、さかき氏は初めて単著として小説『エクサスケールの少女』(徳間書店)を出版した。この作品が、右翼的で人種差別的な記述があると読者から指摘されたことで、その反論をコラムで記している。そこでさかき氏は、<「(作品は)人種差別は、醜く下劣な行為である。明るい未来を構築するためにも、国際協調の姿勢は重要だ」ということを訴えたかった>として、過去に出した5冊の三橋容疑者との共著本は、自分とはスタンスが違い、わだかまりを持っていたと告白しているのだ。
<これには理由がありました。共著・原案・監修者のかたが、私より遥かに売れっ子の作家であり、上司でもあったため、無名作家の私の意向を通せることが非常に少なかったが故です。したがって過去の五作品については、「私の本当に書きたかったもの」ではなく、あえて悪い言い方をすれば「ビジネスとして全力で執筆を完遂したもの」でした〉
コラムでは三橋氏の名前は一切出てこない。しかし、彼女が挙げている5冊の本は全て三橋氏と連名のものだ。さらに、さかき氏は三橋氏のスタンスを批判するように、こうつづっている。
<たとえば外国を疎んだり、外国人を差別したりすることを、非常に、非常に、嫌っております。もしも日本と外国、日本人と外国人の間に何らかの問題が起きた場合には、「できるだけ中庸を目指し、公平であろうと努力し、できるだけ多くのひとが幸せになれる道を選びたい」と、考えております>
DV問題の研究をライフワークにしているというさかき氏には、三橋氏が引き起こした今回の事件をぜひ検証してもらいたい。
(犬巻光子)