サイゾーウーマンコラム神林広恵「女性週刊誌ぶった斬り」2017年の“女”を斬る! コラム "噂の女"神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【年末番外編】 飯島三智氏「逆襲劇」、小林麻央さん「強い共感」、伊藤詩織さん「実名告発」……2017年の“女”を斬る! 2017/12/26 21:00 女性週刊誌ぶった斬り! 女性から共感を呼び、影響力、発信力を持つ強い女 奇跡が起こることを願いながら、しかし6月についに力尽きてしまった小林麻央さん。しかし、その闘病の様子は自身のブログや、夫・海老蔵のブログ、そしてテレビドキュメンタリーなどで、多くの人々に共有され、共感と影響力を持ったのではないか。 思えば、麻央さんの人生はさまざまな“物語”に彩られていた。姉妹揃っての人気アナウンサーから、名門梨園の御曹司でプレイボーイと知られた海老蔵との結婚。だが、盛大な披露宴を行った直後、海老蔵が西麻布で関東連合メンバーから暴行を受けるという大事件が勃発。世間からの批判の中、夫を支え続けた。そして2人の子宝に恵まれる。幸せ、勝ち組の絶頂に思われたが、しかし、それもつかの間、病魔に襲われてしまう。 その後の壮絶な闘病が明らかになっていくが、今年6月、夫と幼い2人の子どもを残して逝去――。その直前、ドキュメント『市川海老蔵に、ござりまする。』(日本テレビ系)で家族への思いを病室で語った麻央さんの姿は、大きな反響を呼び、さらに跡取り息子・勸玄くんや、弟を支える姉・麗禾ちゃんの様子が海老蔵のブログで日々アップされ、その愛くるしさ、けなげさも人々の涙を誘った。 現在でも麻央さんのブログにはさまざまなコメントが投稿され、過去のブログは英訳され世界に配信されている。多くの人々が麻央さんの言葉や人生から、さまざまなことを汲み取っている。特に女性から共感を呼び、そして影響力、発信力を持つ強い女性だったと思う。あらためて、そのめい福を祈りたい。 ◎捜査や司法システムの問題、性被害に対する意識変革まで切り込んだ女 今年はアメリカのエンタテインメント界を中心に、大物男性へのセクハラ・パワハラ告発が大きなムーブメントとなり、女性に対する性被害と人権無視が大きな話題となったが、日本でも注目すべき事件があった。 被害に遭ったジャーナリスト・伊藤詩織さんのレイプ告発だ。 ことの発端は、5月に発売された「週刊新潮」(新潮社)に掲載された、あるレイプ事件とその顛末についてだった。記事には“安倍首相にもっとも近い”という振り込みで売り出し中だった元TBS記者でジャーナリストの山口敬之氏が、就職の相談で会った詩織さんをホテルに連れ込み、レイプしたというもの。さらに逮捕直前に不可解な“圧力”で、逮捕は見送られたという衝撃的なものだった。 当初、この事件に対してマスコミの反応は鈍かったが、詩織さんはあえて実名、顔出しで記者会見を行い、反響を呼ぶ。もちろん政権に“忖度”するメディアも多かったが、詩織さんは、その後も著書『Black Box』(文藝春秋)を刊行、性犯罪被害者がタブー視される社会的な不条理さ、デートレイプドラッグのこと、そして捜査や司法システムの問題、そして性被害に対する意識変革までを訴えていく。 被害者がここまで訴えなければ、何も動かない。日本の絶望的状況が浮き彫りになった一件だったが、しかし、そこに切り込んだ詩織さんの存在は大きい。 ジャーナリストとしての詩織さんの今後の活躍を期待したい。 前のページ12 最終更新:2017/12/26 21:00 Amazon Black Box 2018年はますます強い女が登場しそう! 関連記事 ローラ“独立問題”が円満解決へ? 「週刊女性」報道に見る、芸能界の不条理な事務所支配季節はずれの天皇退位――安倍首相による皇室の“政治利用”について言及した「女性セブン」“保守オヤジ”のガナリ声が大きくなる中、良質の社会派記事を掲載する女性週刊誌安室奈美恵が語った、引退の裏にある“孤独”と、「女性自身」が伝える一縷の希望三田佳子次男「暴行事件」と詩織さん「性暴力」報道が示す、女性に対する警察の甘い認識 次の記事 中居、CM契約数がゼロ本に >