「non・no」セックス企画はエロくない!? 女子大生の悩みに寄り添う“真っ当さ”
続いて気になったのは「non・noカワイイ選抜2期生はこの5人!」です。「non・noカワイイ選抜」とは、誌面や同誌webで活動する読者モデルのことなのですが、まずネーミングがすごい。オーディションに応募する時点で、「カワイイ」って自分で申告しちゃってますからね。まあ、もちろん、自分のことを可愛いと思っていないことには応募できないでしょうが、なかなかのメンタルをお持ちだと思います。
また「選抜」「2期生」という言葉からは、アイドルグループを連想するものの、現に「non・no」の専属モデルには、乃木坂46の西野七瀬や欅坂46の渡邉理佐がいます。ノンノ読者である現役女子大生にとっては「選抜」に残るための勝ち抜きオーディションという形式は、身近で、興味を惹かれるものだったのかもしれません。
グランプリに輝いた藤本万梨乃さんは、なんと東京大学医学部在籍! まさに才色兼備です。そのほかにも、審査員特別賞に選ばれたメンバーの中には、東京医科大学、東京理科大学と高学歴なメンバーがいました。その一方で、「青山学院女子短期大学」(来年2019年度より学生募集の停止が決定)という華やかなイメージを前面に押し出してくるメンバーも。「カワイイ選抜」といいながら、ルックスだけでなく、大学名で勝負しようとしている感があります。
「non・no」は同じく女子大生雑誌である「JJ」(光文社)と違って、あまり大学名にこだわっていないと思っていたため、プロフィールに大学名が記載されていたことは意外でした。しかし、その中に1名、「私立女子大」としか記載していないメンバーも。彼女がどういった意図で大学名を伏せたのかはわかりませんが、アイドルの選抜争いさながら、誌上で“大学名マウンティング”が繰り広げられていたのは間違いありません。
■セックスそのものに抵抗感あり?
最後に、「誰にも聞けなかった! 実は困ってる『Hのコミュニケーション』」を見ていきましょう。真面目なノンノ女子だけに、性の話題はタブーな感じがしていたので、興味津々で中身をチェック。しかし「Hをしたくない時、どうすれば断れる?」「Hが恥ずかしくて、楽しいと思ったことがない」「Hが“痛い”と感じることが多い」「Hが好きじゃない私。彼を本当に好きではないということでしょうか」などなど、わりと切実な上に、やはりセックスそのものに抵抗感を覚えているお悩みが多いのが印象的でした。
それに伴い回答も、「自分で納得せず、彼のキモチを知るのが第一歩」「周りに合わせず、自分たちらしい形でいい」など回答者に寄り添った真摯なものに。AV女優・佐倉まなでさえ、「痛さに関しては、誰にでもあることで少数派じゃないから安心して。摩擦の痛みを軽減するにはローションが効果的です」と淡々とアドバイスしています。
読んでいても、エロい気持ちが湧いてこない特集でしたが、「男はそういうものだから受け入れよう」「こうした方が男は喜ぶ!」といったような女性側に我慢を強いる方向に若いノンノ女子たちを誘導したり、「もっと開放的になって!」と過剰に性を謳歌するように勧めるよりも、よっぽど真っ当な企画だなあ、と思いました。
(橘まり子)