カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「non・no」1月号

「non・no」セックス企画はエロくない!?  女子大生の悩みに寄り添う“真っ当さ”

2017/12/19 19:00
「non・no」2017念1月号(集英社)

 今月の「non・no」(集英社)1月号ファッション特集は「12月は可愛げを盛る(ハート)」ということで、「ふわもこニット」「萌え袖」「パステルカラー」「ミニスカート」「背中あき」と、“モテコーデ”が満載。いや、可愛いんですよ……本当に可愛いくて眼福なんです! ただファッション誌というより、なんかもう“可愛い女の子たちをただひたすらに眺めることができる雑誌”という感じでして。正直これらのアイテムって、「若くて可愛い」が前提のアイテムですし、そもそも特集テーマが「可愛げを盛る(ハート)」ですからね! 「可愛げ」があるのは前提で特集組まれてますから!! ノンノ女子、前からうっすら気づいてはいましたが、自分のこと、そこそこ可愛いと思っていますよね。それでは、早速中身を見ていきましょう~。

<トピックス>
◎今、いちばん気になる女の子。新木優子を全部見せ(ハート)
◎non・noカワイイ選抜2期生はこの5人!
◎誰にも聞けなかった! 実は困ってる「Hのコミュニケーション」

■変なあだ名の裏に潜む女子の世界のルール

 今月の 「non・no」の表紙は、月9『コード・ブルー‐ドクターヘリ緊急救命‐THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)に出演するなど、今年は女優としての活動の幅を広げた新木優子。今月号では「今、いちばん気になる女の子。新木優子を全部見せ(ハート)」ということで、大特集されているのですが、気になったのは彼女の雑誌内でのあだ名が「ゆんぴょ」ということ。甘くて可愛いらしい雰囲気のノンノモデルが多い中、涼しげな目元が印象的な美人タイプの新木は、スタイルも抜群で男性からの支持も高く、決して「ゆんぴょ」なんてふざけたあだ名で気軽に呼べるようなタイプではないように感じます。

 しかしフリマで見つけたアイテムも活用する私服コーデ、プチプラコスメを使ったセルフメイク、日常で見つけた面白いものや食べた物の自撮り写真などなど、本特集で公開されたプライベートな部分は、同世代のノンノ女子が身近に感じるような内容ばかり。確かに親しみを込めて「ゆんぴょ可愛い~!」と呼びたくなってしまいます。

 同様のことは、同じく専属ノンノモデルである本田翼にもいえます。男性ファンからは「天使」とまで評されるほどのルックスを誇る彼女ですが、雑誌内でのあだ名は「ばっさー」。なんというか、面白枠のあだ名ですよね!? さらに連載エッセイやインタビューでの一人称は「本田」で、ゲームや漫画好きでオタクな一面をアピールするなど、決して美人売り一辺倒というわけではありません。また今号では、映画『鋼の錬金術師』で共演したHay!Say!JUMP・山田涼介との対談が掲載されているのですが、山田は「オレも中身を知るまでは“モデル様”だと思ってたよ。でも知れば知るほど、異性として見られなくなって(笑)」「異性としては見られないけど、友達としては最高にいいヤツ」と語っています。

 これらを見ていくと、本田が「non・no」内では、女子ウケを狙ったキャラに設定されていることは間違いありません。新木も本田も単にモデルという仕事に徹するならば、プライベートの情報を公開する必要もありませんし、変なあだ名をつけられる必要もないはず。しかし、それでは「みんなと同じ」「みんな仲良く」がモットーの保守的な女子大生であるノンノ女子たちの共感は得られず、男ウケだけを狙った女として反感を買ってしまう恐れがあるのでしょう。何気ないあだ名の裏に女の園における微妙なポジション取り戦略が見え隠れするなんて、「non・no」、意外と闇深い雑誌……しかし、Hay! Say! JUMPファンのノンノ女子は、「まあ、ばっさーなら大丈夫でしょ!」「山田に色目使うはずない」などと流してくれるものなのでしょうか。気になるところです。

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