「ギプスをつけてでも出ろ」!? ジャニーズのケガと、揺るがぬ「SHOW MUST GO ON!」の精神
KAT-TUN亀梨和也さんが、来年1月期放送のドラマ『FINAL CUT』(フジテレビ系)の撮影中に左手を骨折! とのニュース。なんだかんだ、ジャニーズにケガはつきものです。そりゃ、アクロバットにダンス、その他いろいろやっていれば、ケガもします。
ジャニーズのドラマ撮影中に大きなケガをした……といって思い出されるのは、ドラマ『さすらい刑事旅情編』(1993年、テレビ朝日系)で少年隊・植草克秀さんがした、北海道ロケ中の“大やけど”でしょうか。このケガは、ドラマ撮影中の安全管理を見直すきっかけとなり、業界内に大きな影響を与えたと言われています。ちなみに、ドラマは脚本が書き換えられ、植草さんが演じた役は「研修中」という名目でお休み状態に。放送自体はそのまま進行しました。同年にリリースした少年隊のシングル「EXCUSE」は、植草さんは立ったまま、錦織一清さんと東山紀之さんがダンスをしていました。
舞台となると、さらにケガが多くなってきます。比較的最近の話では、V6三宅健さんが『滝沢歌舞伎2016』で右足を骨折。その後、演出を一部変更して出演していました。私はケガをした後の公演を見に行ったのですが、ギプスをはめたままでの出演は、「ちょっと痛々しい……」と思った記憶があります。逆に、ダンスシーンでイスに座ったまま踊る三宅さんは、ジャニーズJr.を従えているみたいでカッコよかった……。同舞台の座長である、タッキー&翼・滝沢秀明さんも10年の『滝沢歌舞伎 -TAKIZAWA KABUKI-』の公開稽古で、目の上を切ってしまったことがありました。また14年の『Endless SHOCK 2014』千穐楽では、KinKi Kids堂本光一さんから「肋骨をやっちゃって」という発言も。しかし、どの舞台もすべて中止することなく、そのまま進行しています。
ミュージカル『PLAYZONE』でも、V6坂本昌行さんがデビューして間もない97年、稽古中に骨折し松葉杖で出演。さらに03年『PLAYZONE’03 Vacation』では、東山さんの骨折もありました。A.B.C-Z河合郁人さんも11年『PLAYZONE’11 SONG & DANC’N.』の公演中に骨折。その直後に出演した舞台『少年たち 格子無き牢獄』では、車椅子で出演していました。その後河合さんは、テレビで「ジャニーズはデビューする前にケガすると売れるってジンクスがあるんですよ!」と言っていました。それだけ、ジャニーズにケガが多いということなのかもしれません。
デビュー前……つまりJr.のケガはあまり報道されないため、本当はものすごくケガをしているのかもしれません。今はSNSでファンが公演のレポートを投稿することも多く、調べればその日の舞台の様子がなんとなくわかります。そこで、ケガや体調不良の情報を知ることもありますよね。でも昔は、舞台を見に行った人しか状況がわからず、さらにJr.の場合はテレビや新聞で扱われることもなかったため、ケガの現場を見た人たちからウワサを聞いて、心配をするのがファンの限界でした。ファンにできることは今と変わらないかもしれませんが、当時は限られた人しか情報を得られなかったので、臆測が臆測をよんで……なんてこともありました。
さらに古い話をすれば、元光GENJIの諸星和己さんがよくケガをしていたイメージがあります。彼らはローラースケートでのアクションに加え、おそらく今とは比べものにならないくらいのハードスケジュールだったはず。06年発売の雑誌「CONTINUE Vol.29」(太田出版)のインタビュー記事で諸星さんは、「僕が両足骨折したことがあるんですよ。スケート履けないからどうしようって話になったときに、ジャニーがなんて言ったと思います? 車椅子じゃないんですよ。『ユー、ギブスにタイヤ付けろ!』って(笑)」と、ジャニー喜多川社長からとんでもないことを言われた、と語っていました。
ケガをしていても舞台に出演し続け、テレビにも出続け……ファンとしては心配になりますが、でもこれって結局、諸星さんが話していたジャニー社長の「ギプスにローラーつけてでも出ろ」という言葉に集約されてしまう気がします。そうです、舞台班にはもはやおなじみ、なにがあってもショウを続けなければならない、「SHOW MUST GO ON!」の精神です。亀梨さんも、ケガの直後にもかかわらずドラマの撮影を行っていましたし、音楽番組にも出演していましたよね。今回のケガをきっかけに、改めてジャニーズに「SHOW MUST GO ON!」の精神が根付いていることを感じさせられました。
とはいえ、やっぱり体は大事にしてほしい……。誰かがケガをした時の現場にいると、ファンとしてトラウマになったりするから……。ジャニーズアイドルのみなさん、そしてジャニーさん、無理はしないように何卒よろしくお願いいたします。
■トモノトモエ
“ジャニオタ歴30年”の事務所担ライター。初めて行ったコンサートは少年御三家の武道館公演。1番初めに好きになったのは少年隊。酸いも甘いも味わってきたジャニオタライフを活かし、全ジャニオタに役立つ情報を発信している。近著に『嵐のコンビ愛 まとめBOOK』『踊る! Kis-My-Ft2 with A.B.C-Z 大辞典~パーフェクトデータブック』(いずれもサイゾー)。