中山美穂のヤマザキビスケットCMが意図するもの
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎中山美穂と秋の空
ヤマザキビスケットのCMに出演している中山美穂。「みんなに食べてもらいたい」と言って一口かじった後、そのおいしさに思わず「やっぱり1人で食べたい」に心変わり。知ってたよ。あんた、そういうとこあるもんね。世間は膝を打つこと然りのセリフなのだが。ヤマザキビスケット側は果たして中山美穂の「そういうとこ」を意識して、これを作ったのだろうか。意識して作ってんならすごいが。今のところ、してないようにしか。という部分をわざと狙って、意識してる人にも、意識してない人にも刺さるように作ったってことなのか。考えすぎですね。
しかし、あんなにアップにしちゃうから、アラが目立っちゃってもう大変である。そこもあえて狙ってるのか。何か意味があるのか。考えすぎですね。
◎売名成功
「高く買わないでください」という新聞の一面広告を出した人気日本酒・獺祭。この商売上手が。
この広告がネットニュースやマスコミに取り上げられることで「え? そんなプレミアつく酒なんだ」と印象づけられ宣伝効果抜群。正規の店できちんと買ったかどうか追跡できるシステムを導入するのではなく、正規の店できちんと買えないくらい人気の酒なんです、というアピールを優先。いやー。効果ありそうっすねぇ。正直者がバカを見るっつうかね。
獺祭。「昔はまあ、おいしかったんだけどねぇ。石鹸とか売り出すようになってから、ちょっと、ね」という酒呑みの人のつぶやきを聞いたことがあるが。私は下戸なので石鹸に飛びついてしまった。石鹸もまあ普通だった。高く買わないでください。
◎不倫情報誌「週刊文春」
すごい。不倫関連の会見で、こんなパーフェクトな出来見たことない。「歴代最高得点」を叩き出した太川陽介。あの内容、あの明るさであんなふうに言われたらもう。
ベッキー以来、犯罪レベルで叩かれてしかるべき、という概念が広く植え付けられた有名人の不倫であるが。「そもそも夫婦の間の問題」という基本に立ち返らせる何かが、この会見にはあった。ムーブメントは文春に始まり、文春で終わるのか。いや、山尾志桜里がいる限り継続だ。それにしても、「ともだちんこ」って、彼女のために作られた言葉であるな。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。