『おそ松さん』第2期は「お通夜状態」? 爆発的ブーム終了で「視聴率暴落」したワケ
こうしたデータ以外にも、第1期では、『おそ松さん』放送中に、関連ワードが次々とTwitterのトレンド入りすることが珍しくなかったが、第2期では同様の現象は見られなくなっている。さらには、前述のとおり、Twitter上で、ファンによる「第2期になってつまらなくなった」「見るのをやめた」「もうオワコンになっちゃったのかも」といったツイートが飛び交っているのだ。果たして、第2期で既存のファンが離れていった原因はどこにあるのか? おそ松ファンの女性に話を聞いたところ、意外な声が返ってきた。
「『おそ松さん』は、そもそも腐女子を中心に人気を集めたアニメでした。六つ子のキャラクターが個性豊かで、それぞれの関係性に萌えていたんですが、第2期になった途端、彼らの個性が消えて、六つ子が画一的に描かれるようになった気がするんです。第2期初回の冒頭、女子たちに人気を博し、カネを手に入れ、ブクブクに太った六つ子が握手会を開催し、それをイヤミとチビ太が『気持ち悪い』と反吐を吐くシーンがあるのですが、それを見た時、制作サイドが腐女子を『おそ松さん』から切り離そうとしているのではないか……と思ってしまいました」
また、第1期から話題を呼んでいた“過激な下ネタ”は受け継がれているものの、「六つ子の関係性が描かれないので、ただただお下劣な下ネタなだけで、女子ウケはしない気がします。オナホが登場したり、イヤミの股間にモザイクが入っていたり、男子が『くだらねー』って笑うタイプの下ネタというんでしょうか。あとギャグ自体も、『イヤミが馬券をゆでたみそ汁を飲む』とか不条理路線で、これが元来の赤塚不二夫っぽい作風なのかもしれませんが、ピンと来ない女子も多いのでは」
そのほか、第1期放送終了から1年半の時間が経過している点に関しても、「長すぎた」とファンの間で見る向きは強い。『おそ松さん』ファン層の中心である10~20代女子が、新しいコンテンツに目移りしてしまった可能性も指摘されている。また最近では、『刀剣乱舞』『あんさんぶるスターズ!』『A3!』といったソーシャルゲームが大ブームとなっており、これらは言ってしまえば「毎日推しに会える」コンテンツ。それだけに、『おそ松さん』の1年半というブランクは、ファンの興味・関心を保たせるのには、あまりにも長すぎたといえるのかもしれない。
そんな『おそ松さん』だが、現在、セブン-イレブンやアドアーズ、SEGA、HMVなど、多数の企業とコラボ企画を行っており、限定コラボグッズのプレゼントや販売などしている。傍から見ると、ブームは続いているようだが、ネット上のファンの反応を見ると、「コラボが多すぎて追いつけない」「以前は限定グッズはすぐになくなっていたのに、まだ手に入る状態」といった声も散見され、ファンだけが置いてきぼりになっている印象もある。
『おそ松さん』第2期は、1月から第2クールの放送が決定。果たしてこれから、再び第1期のような盛り上がりを取り戻すことができるのか、注視していきたい。