コラム
今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

1億7,000万円横領被害のデヴィ夫人が悔しがらないワケ

2017/11/03 21:00
デヴィ夫人オフィシャルブログより

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎いつみても波瀾万丈
 事務所の元経理担当に1億7,000万円もの横領をされていたデヴィ夫人。本人も腹は立てているのだろうが、腹立ちよりも、1億7,000万もの額を横領されたことを吹聴できる機会を得た恍惚の方が、ちょっと勝っている感じ。

 「今の家に入りきらない大きい絵を飾れる家が、1軒建てられたわ」と残念がってみせる夫人。しかし、あくまでも残念がるだけ。悔しがりはしない。「1億7,000万あったら家は1軒どころか何軒も建つわ!」という庶民からのツッコミも、きっと想定内のコール&レスポンス。

 この件で「1億7,000万横領されても気づかないくらいの収入がある」ということを広く喧伝できた夫人。元経理担当の派遣元とワーキャーやってるのも、金を取り戻すための必死の行動というよりは、「何か目の前にあるものにすぐ噛みつく」という、いつもの彼女の気質によるもの、という印象。

 デヴィ夫人の脳内フィルターを通せば、起こる出来事の何もかもが、人生演出の1コマに過ぎない。コパカバーナも大津いじめ裁判も「波瀾万丈なわたくしのワンダフルライフ」の一場面か。ざっくりしてんなぁ。そういうとこが、チョロまかされた原因だと思うのだが。そしてワンダフルライフは続く……。

◎ブーム終了?
 年賀はがきのCMに登場したひふみん。テレビに映るたび、見る側の意識は彼の鼻の穴ばかりに集中してしまうわけだが。今回、例の状態は確認されなかった。そりゃそうだ、CMだもの。

 かわいらしい容姿と、変わり者キャラ、話題性ともに三拍子揃って、本来ならもっとCMにひっぱりだこの逸材になれたと思うのだが。あの密集した鼻毛が、彼のCMタレントとしての可能性を奪ったと思う。

 バラエティなら鼻毛が映っていても笑い飛ばして終わりだが、CMはねぇ。映ってなければないで、今回の年賀はがきCMのように「CGで消したのかな」ってことばかりが気になるし。映ってなくても、食べ物飲み物は衛生的にちょっと食指が動かなくなるし。

 惜しい。ナベプロも、もうちょっとのびしろがあると期待して契約したと思うのだが。CMに使えないとなるとなぁ。例のにゃんこスターも、テレビのバラエティでどこまで使えるか未知数だし。勇み足が続くナベプロの契約状況。西村賢太も、最近見なくなったなぁ。

◎NHKの貴公子
 『クローズアップ現代+(プラス)』(NHK)で、「Choo Choo TRAIN」(チューチュートレイン)の曲に乗せ、ヒップホップダンスを踊らされていた武田真一アナウンサー。なんかこう、NHKの「間違ったバラエティ化」による損失が、どんどんえらいことになってる気が。『クローズアップ現代』って、こんな『ためしてガッテン』(同)みたいなベクトルの番組じゃなかったし、武田アナだって、長年キャリアと功績積み上げたというのにこの扱い、泣いてると思う。

 『クロ現』だけじゃない。全体的な民放の猿マネは今すぐやめて、本来の立ち位置に戻って欲しい。国谷裕子キャスターを返せ! 武田アナを壊すな! もう新手のパワハラだってこれ。

今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。

最終更新:2019/05/21 20:28
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