今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

昼の生放送に「小林旭」を出演させる、フジテレビの自爆力

2017/10/06 21:00
kobayashiakira
小林旭オフィシャルサイトより

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎NARUTOでもない
 『バイキング』(フジテレビ系)コメンテーター枠初登板にして、登場わずか15秒で超弩級の放送禁止用語発言。しびれる“マイトガイ”小林旭。

 その瞬間、空気が凍りついたスタジオ内。あくまでも、ラスベガス銃撃事件の重さに顔をしかめているという体で、沈痛な面持ちをキープするフットボールアワー・岩尾望、とにかく関わりたくない、という硬い顔でずっと下を向くホラン千秋、横目でスタッフを注視し、対応の指示をいち早く拾おうとする薬丸裕英、努めて何事もなかったように声を張る坂上忍。とっさの時って、味わい深い。にんげんだもの。

 放送禁止用語発言ばかりが注目されているが、この日はほかにも「撮影で実弾を使ったことで警察の取り調べを受けた」「銃は隅田川に捨てた」といった、ワクワクするマイトガイエピソードがバンバン。いよっ、人間弾薬箱。

 ま、制作側は新しい金脈となる「ニューご意見番枠」を開拓すべく、いろんな大御所をお試し使用してたところだったんだろうけど。バラエティにこれまでほとんど関わりのない80歳近い昔の俳優を、昼の生放送にいきなりって。フジテレビもマイトガイだなぁ。


 お陰で2017年にもなって、「〇〇〇〇」が生で聞けました。ありがとう生放送! ありがとうマイトガイ! マイトガイは貝の名前じゃないよ! 若い人は検索してね!

◎紙一重
 八百万の神々が出雲神社に集まり、ハルキストが例のカフェに集う。また10月がやって来た。

 ま、今年はカフェだけに飽き足らず、「ノーベル文学賞発表カウントダウンナイト パブリックビューイング」なんていう、コントみたいな会場もあったワケで。「村上さんはカズオ・イシグロファンでもあるので、喜んでると思いますよ。きっと」なんて語ってたわ。ぎゃー。ハルキストよ、一連のあんたらのこういうとこを、村上春樹本人が死ぬほど嫌がってるってこと、本当のファンならいい加減わかってもいいんじゃないか。逆にもう、アンチによる壮大な嫌がらせなんじゃないかって気もしてきた。

 ハルキストイベントに堂々と誇らしげに参加してる人と、iPhoneの発売日に並んでAppleストアの店員とハイタッチしてる人って、何となく共通点があるように見える。人から「うへぇ」と思われることが気にならない鈍感力。自ら進んで誇らしげに「うへぇ」をまき散らすアクティブさ。実際にハルキストでAppleハイタッチを経験してる人が何人いるのか知らんが、とにかく何かが重なってそう。脳波とか。

 その辺を誰か調べて掘り下げて、「村上春樹ノーベル文学賞受賞を遠ざけている原因は、ハルキストだった!」という結論を導き出し、ぜひイグノーベル賞を受賞してほしい。村上春樹も、それはきっと喜ぶはずだ。


◎社名変更?
 マネーロンダリングの玉手箱・メルカリ。「社長が育児休暇」ってなぁ。そんないかにもイージーな付け焼き刃で、イメージアップできるわけないだろがい。寝言言ってないで早く犯罪対策なんとかしないと、休み明け、会社ないかもしれんぞ。あっても盗人天国だぞ。

 CMのベッキー起用もねぇ。今、イメージがこんなベクトルに傾いているとき、何でわざわざベッキーを。お互い得なし。

 何もかも「印象操作」の狙いがズレているメルカリ。ほかにイメージよくて手数料なしのフリマアプリも増えてるし。消去法って怖いぞ。この先、坊主決定か。マルガリ♪

今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。

最終更新:2019/05/21 20:28