『監獄のお姫さま』の小泉今日子は暗すぎる! “ダンナ殺し”の受刑者は生き生きしてる?
最近、ご主人の死をひたすら願うSNSサイト『だんなデスノート』が本(宝島社)になって注目されてるそうですが、夫殺しの受刑者はまさに、そこへ書き込む人たちと同じような感じでした。いろんな事情(主に貧困)で離婚もできず、ガマンにガマンを重ねてついに……ということなのでしょうね。
ちなみに私の家庭は円満なんで、無関係ですよ。編集者さんが「キョンキョンが暗いのは未遂だからじゃないですか? ちゃんと殺ってたら、笑ってるかも」と鋭いことを言っていました。これに対して、子どもを殺して入って来たコは、まず自分からは言いません。そして口数が少なく、暗い表情をしています。それでも、みんなは彼女の罪名を知っています。刑務官が言いふらすからです。
「あのコは殺(や)ってんねん」みたいなことを、聞いてもいないのに教えてくれるんです。公務員やから守秘義務があるので、それもどないやねんと思いますが、すぐにウワサは所内に広まってしまいます。そして原因は、ほとんど貧困か「新しい男」ですね。貧乏で不憫になって、とか、新しい男と暮らしたいからとか。たいていはその男もダメなのにね。
■事件そのものよりスゴい「裏話」
男子刑務所と違って、女子刑務所は数が少ないこともあって、長期刑とか罪名で分けられません。初犯と累犯の区別があるくらいです。なので人殺しから万引きの常習犯までみんな一緒です。そやから、打ち解けてくると、けっこういろんなことをお互いにしゃべります。
たとえば2人の小さな子を殺して「鬼母」と報道されたAちゃんは、貧困でどうにもならず、子どもたちを殺して自分も首を吊ったのに、死にきれなかったと泣いていました。シングルマザーで誰も相談する相手がいなかったんだとか。家庭の事情などでちゃんと育ってないコは、問題を解決できる力がなく、甘え方も知りません。Aちゃんもそうだったんですね。
また、福田和子さんとか女性の事件の裏には、ほぼ「男」がいてますから、こういう話もおもろいです。事件を起こすのはもちろんアカンけど、悪いのは女性だけと違うんだということもよくわかりますよ。もし私が映画やドラマを作るなら、こういう事件の裏側を回想場面で再現したいと思いますが、いかがでしょうか。
中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)」