「私たちはモテて当然」の恋愛強者ぶりを発揮する、「non・no」女子大生に募るモヤモヤ
次に、「甘め好き上級生・七瀬の後期は大人めシフト成功(はぁと)着回し20days」を見ていきましょう。七瀬は、OB訪問や広告代理店でのインターンなど、就職活動の準備に余念がありません。「担当の方がイケメンでラッキー(はぁと)」と初日からテンションの上がる七瀬は、少しでも大人っぽく見られたいと、パンツスタイルの“落ち着きコーデ”を意識しているそう。先輩に資料を届けたり、キャッチコピー会議に参加させてもらったり、「忙しい! でも、楽しい!」日々を送る中、七瀬の出したキャッチコピーの案が採用!! 「お祝いに今度ごはん行かない?」と先輩に誘われ、女友達とも恋バナで盛り上がります。
っていうか、インターンで来てる女子大生を口説いていいのか? とツッコミかけた筆者でしたが、先輩はその後、突然の渡米! そこでやっぱり、女子会の出番です。七瀬は「誰か慰めて~!」と緊急招集をかけますが、ここでまた急展開が起こり、サークルの後輩男子から突然告白されちゃいます!! 「さすがに断ったけど、自信取り戻せた(笑)」と若干上から目線な七瀬は、出社途中、自分が考えた「恋はいつだって、坂道」の看板を見つけ励まされる――と、2つの物語が交差して終わります。
結局オチが坂道グループの宣伝かよって感じだったのですが、これまでの着回しストーリー同様、恋愛よりも友情やサークル(または就活)重視のストーリー。これまで、ノンノ女子が奥手だから、こういったストーリー展開なのかなと思っていましたが、今回はちょっと違う印象を受けました。ノンノ女子たちは、モテて当然! 自分からわざわざアプローチしなくても、オシャレして可愛くしていれば勝手に男性側から告白される! この男を逃してもほかにも彼氏候補なんていくらでもいる! と、恋愛強者の考えを持っているのかもしれません。だからこそ、失恋しても告白されても、女子会で盛り上がって終了。恋愛なんて女子会で盛り上がるネタの1つ程度に思っているようにも感じられます。
女子大生という若さに加え、お互いの恋を応援し慰め合い、時には一緒になって「あの男ないわー」などとネタにしてくれる女友達に囲まれていれば、自分たちが恋愛相手を選べる立場にいると思ってしまうのも当然なのかもしれません。『東京タラレバ娘』(講談社)予備軍じゃん! と、穿った見方もできます。今は周りのみんなも女子大生という同じ立場で、同じような服を着て、同じような生活を送っているので、女子会でも共通の話題で盛り上がれるでしょう。しかし、この先、みんなが同じペースで、同じ道を歩けるものではありません。そうなった時、「みんなと同じで安心」という感覚にしがみついているのは、なかなかきついかもよ……と老婆心ながら申したくなりました。