サイゾーウーマンカルチャーインタビュー安室奈美恵が女の子に与えた価値観 カルチャー 浅見悦子氏インタビュー【前編】 安室奈美恵、「ファッション」「メイク」「マインド」が女の子たちに与えた価値観 2017/10/14 17:00 カルチャーインタビュー モテや媚びを意識していなかった ――確かに、楽曲も、可愛さよりかっこよさが際立ったものでした。 浅見 モテや媚びを意識していないようなところも、かっこよかったですね。若い女性で、あそこまで男性を意識しない歌手は、それまでいなかったような気もします。安室さんはスタイルが日本人離れしていて、ミニスカートがとてもよく似合いますが、それは男性に可愛く見せるためではなく、脚をきれいに見せるためのもの。ピンクふわふわなミニスカートとは真逆の、シャープ、ストレート、キラキラなミニスカートでした。そんなところが、コギャルの「あんなふうになりたい」という思いを揺さぶったのではないでしょうか。 ――安室さんのヘアメイクも、コギャルに影響を及ぼしましたよね。 浅見 なんて言ったって、あの小顔ですよ(笑)! 当時、資生堂の「ロスタロット」という小顔コスメが飛ぶように売れ、雑誌の特集でも「小顔」がよく取り上げられるようになり、小顔ブームが到来しました。それは、やっぱり安室さんの影響が大きかったように思います。今では、ギャルではなくとも、女性がメイクでシェーディングすることは珍しくなくなりましたし、写真を撮るときにあごを引いたりもしますよね。「小顔になりたい」という願望を女性に植え付けたのが、安室さんでした。 ――安室さんと同じく、浜崎あゆみさんも、「ギャルのカリスマ」といわれていますが、2人に違いはありますか。 浅見 安室さんは77年生まれ、浜崎さんは78年生まれと、年齢は1つしか変わらないのですが、90年代半ばのギャル第1世代のカリスマが安室さん、2000年代初頭のギャル第2世代のカリスマが浜崎さんかなと思います。安室さんは、スタイル込みの“全身”でギャルからあこがれられた一方、浜崎さんは、“顔”であこがれられた。特にあのクリッとした目のインパクトは大きかったですよ。浜崎さんの登場で、でか目ブームが起こり、各社がマスカラを次々に開発し始めましたし、今もなお「大きな目=美しい」という価値観は根付いています。二重を作るファイバーも、浜崎さんがいなかったら生まれなかったと思いますよ。 私個人としては、安室さんはクイーン、浜崎さんはプリンセスのイメージ。クイーンは、孤高の存在で、決定権も自分にある。プリンセスは、王様なり王子様なりがいる。実際に浜崎さんは、周りから「姫」と呼ばれていますしね。 (後編に続く) 前のページ12 最終更新:2017/10/16 23:14 Amazon SWEET 19 BLUES 中山ヒデちゃんと並んだ時の安室ちゃんの顔の小ささね!! 関連記事 「LARME」女子とは何者か? ファッション、SNS、男性観に見る“新種のギャル”像ガングロギャル×女子大生が語る、「モテ」と「偏見」と「将来」――“同世代女子”座談会「東京は希望」「東京には何もない」山内マリコ×中條寿子の女子と地方「あした、なに着て生きていく?」キャッチコピーが示す、女子の“気分”とファッションの“空気”「ジューシィメイク」「ロースキンメイク」トレンドの“顔”が映し出す、女の願望と社会 次の記事 ジョンマスター騒動が明らかにした、オーガニックを謳う旨味と「合成物=悪」の刷り込み >