「コスメ好きの客は独特」「新人BAは化粧が変」ーー現役BAの本音座談会
――想像以上に、BAの世界が面白いってことがわかりました。
ファイト でも、一口にBAと言っても、お店によってかなり毛色が違うと思います。国産か外資か、スキンケアラインかコスメラインか……とか、いろいろあるんですよ。国産のスキンケアブランドはマシって聞きます。ブランドにもよると思うけど、国産って厳格なノルマがないんです。インセンティブもないから、お客さんの奪い合いもない。でも、外資のブランドは本当に奪い合いみたいです。
――自分の売り上げを伸ばすためにですか?
ファイト そう。最初にお客さんに声かけた人の売り上げになるから、「お客さん取った!」ってなるんです。誰が一番に声かけられるかって競争。でも、ネイルを見てる客がいたら、下っ端に行かせるんだって。ネイルって単価が安いから、売り上げにならないって敬遠される。でも、高いスキンケア商品を見てる客には、先輩たちが自分で行く。単価が取れるから。
――そんな争いがあるんですね!
オン眉 同じフロアの外資ブランドの子は、「金持ちそうな客を見つけたら、自分で行く」って言ってましたよ。
ヤスコ あと、インバウンド(訪日旅行)の客に飛びつく美容スタッフもいますよね。中国人の爆買い目当てで。
――コスメも、そんなに爆買いしていくんですか?
ヤスコ 爆買いですよ! 2日間に分けて買いにきたりとか。中国人のバイヤーがまとめ買いして、現地で売ってるんですよ。
オン眉 商品券や株主優待券で買っていきますよね。
ファイト そう! できるだけ安く買ってく。それをいくらで転売してるのかは知らないけど。
ヤスコ あと、インバウンド専門みたいなBAもいますよ。インバウンドの客に寄ってきてもらうために、勝手にサンプルをたくさんつけて、顔を覚えてもらうんです。それで、次に来たときも、自分を目がけて来てもらえるようにしてる。セコいんですよ。
――なるほど。その人は今どうしてるんですか?
ヤスコ インバウンドが多く来る店に異動しました。
ファイト 今も、中国人にサンプルをたくさん配ってると思う。きっと元気でやってますよ。