休息だけとっても意味ナシ?

睡眠時間より長くスマホを見てる……現代人の「とにかく疲れてダルい」を解消する方法は?

2017/09/17 21:00

neokisumaho

 よく寝たはずなのに疲れが取れない、やる気が出ないなど、身体的にも精神的にも慢性的な疲れを感じている人は少なくない。それには、スマートフォンなどの“デジタル機器”が関係している可能性があるという。生活を豊かにするはずのデジタル機器が、体も心も疲労させる「デジタルライフ疲労」につながっているというが、その実態を知るべく、アスタリール株式会社が主催した、杏林大学名誉教授で精神科医の古賀良彦先生による「デジタルライフ疲労の特徴と対策」の講演に足を運んだ。

■睡眠時間よりデジタル機器に触れている時間が長い現代人

 古賀先生がアスタリール株式会社と共同で、全国の20~50代の男女2万人を対象に行った調査によると、半数近くが1日のうち4時間以上パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器を使用しており、なんと10人に1人は8時間以上の長時間使用であることがわかった。この数字は、「睡眠よりも長い時間、デジタル機器に触れていることになります」と、古賀先生は指摘する。

 併せて、週明けの月曜と火曜の疲労感も調査したところ、「疲労を感じている」と回答した人は87.7%にも上ったとのこと。古賀先生は、「スマホなどデジタル機器の普及によって、疲労を感じている人が増えている」と述べていた。


 しかし、一口に疲労と言っても、さまざまな種類があるだろう。具体的にどんな疲労を感じるのか、先述の調査と同条件の930人に聞いたところ、「疲れが取れない」といった身体的疲労、「気分が落ち込みやすい」といった精神的疲労、さらには「人と話すことが面倒」「なんとなく生きている感じがする」など、“社会性にまつわる問題”を抱えている人も40%以上との結果になった。

 この社会性にまつわる問題においては、SNSなどを通じて、他者のライフスタイルが目に留まることで、自身の生活の充足度に不満が生じるといった側面もあるとのこと。「SNSは文字だけがひとり歩きする可能性が高く、受け手の解釈によって現実とズレが生じたり、自身と比較したりすることで、社会性の欠落を助長する恐れもある」(古賀先生)そうだ。

 これらのことから、古賀先生は「デジタル機器を日常的に使用する生活は、身体的疲労と精神的疲労を同時に自覚するとともに、コミュニケーションや生活の充足度といった社会性にも大きく影響を及ぼしている」として、デジタル機器の使用に起因する複合的な疲労を「デジタルライフ疲労」と位置付けているという。

アスタビータe(パウチ)