サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「GINGER」が自己啓発雑誌に!? カルチャー [女性誌速攻レビュー]「GINGER」9月号 「GINGER」が自己啓発雑誌に!? 全編“愛”というテーマのインタビューで読者を説教!! 2017/08/20 21:00 GINGER女性誌レビュー 結婚相手の条件は「顔が好き」が正解? そんな中、巻末連載「GINGER読者サポーター8700人のセキララVOICE」の今月のアンケートテーマは「結婚相手に求める条件とは?」でした。未婚読者の回答は、「性格の良さ」42%、「ルックス」まさかの0%という結果(一応、補足すると、未婚読者が半分の4500人とした時、45人未満の場合は切り捨てで0%と計算されます)。しかしながら、既婚者座談会には「私は常々、夫がこの人で良かったと思っているんだ。顔で選んだからかな。好きな顔だと、不満があってもつい許しちゃったりするから、大事なポイントだと思うよ(笑)」とかます読者が登場するなど、「GINGER」女子の価値観を揺らしてきます。しかし、それでいいのかもしれません。「性格」なんて時と場合によって揺らぐ曖昧なものよりも「顔」という条件は大変に具体的です。 この結婚特集の結論は「自分はどういう人間で、どんな結婚生活を送りたいかをまず思い描くこと。そうすれば自ずと、どんな相手を選ぶべきかが見えてくるはず!」といったこれまでにないほど至極まっとうな意見に落ち着きます。これは前述の「愛」特集において「アラサー女性が今もっとも憧れる理想の女性」として登場していた石田ゆり子先生のお言葉「自分にとってどんな状況が自分らしくいられるかを探って、自分が一番心地いいと感じる瞬間を知っておくこと」「それは、人から『よい』と言われるからよいのではなく、自分は一体何が好きか、他人の評価は関係なく、何をしている時の自分が一番気分がいいか、ということ」ともつながるでしょう。さらに「GINGER」女子たちより、10歳も年下のりゅうちぇるなんて達観したもので「周りの大人はみんな『結婚するにはまだ若すぎるよ。もっと先にしたほうがいい』といったけれど、それはその人の物差しや経験上の話。僕は過去の自分と比べて、確実に成長した自負があったから、『今の自分なら大丈夫!』と思って、プロポーズすることにしたの」と語っていました。 「愛」という概念を通して、読者に「自分の軸を持て」という説教メッセージを語り続けた今月の「GINGER」。とはいえ、いきなりそう言われても難しいので、そのヒントを今月号の中から探したものの、「アラサー女子のカルチャー愛」くらいしか見当たりませんでした。タレント陣が、「漫画(by桐谷美玲)」「宝塚(by高橋愛)」「競馬(by安田美紗子)」「写真(by舞川あいく)」「コスメ(by田中みな実)」など、自身の趣味を語っており、確かに自分を知る第一歩にはなりそう。ただ、丸々1冊かけて読者を説教した割には、「趣味にハマってみる」以外のアドバイスがないなんて、「GINGER」もなかなか手厳しい雑誌なのではないでしょうか。 (橘まり子) 前のページ123 最終更新:2017/08/20 21:00 Amazon GINGER(ジンジャー) 2017年 09 月号 [雑誌] 「GINGER」の読者への愛は重い 関連記事 「裸になれる女」特集に見る「GINGER」女子の欲望の裏――「ありのまま」「自然体」への畏怖「GINGER」にとって男は“いいね!”要員? 「あこがれられたい」という燃え盛る欲望ZARAに心も体も売った!? “その他大勢とは違う私”というプライドを捨てた「GINGER」「GINGER」突然の“モテ特集”が迷走! 「職場で女を捨てるな」など紋切り型コメント連発“隙のある女”になるために涙ぐましい努力をしてしまう「GINGER」女子のズレ 次の記事 気持ち悪い“ジャニオタのマナー違反” >