「カツラをバラされた」船越英一郎に課せられた使命
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎攻める男
『ごごナマ!』(NHK)で見る船越英一郎の毛先の遊び具合が、どんどん激しくなってきている。そんなにも遊ばせるか、というレベル。ヤケなのか、それとも「こんなに遊べるんですから、これはカツラじゃなくて地毛なんですッ」という無駄な抵抗なのか。いや「植毛もしたので遊べるようになりました」という新たな報告なのか。いずれにしても「バレていっそラクになった」という、サスペンスによくあるベタなセリフがよく生える、いや映えるこの頃の彼である。
「カツラをバラされる」という、日本芸能界史上初の希有な出来事の当事者となった船越英一郎。どんどんエスカレートさせ、アフロやモヒカンなども披露し、カツラと、その愛用者の可能性を昇華させていく。それが彼に課せられた使命なのかもしれない。かつらだもの。えいいちろう。
◎テレ東でレギュラー!?
来る裁判に向けて、これ以上不利になることはできない。しかし、何かせずにはいられない。何かしてないと、生きている気がしないから。
てことで、松居一代が目下取り組んでいるのが、九州豪雨被害のボランティア。「ヒマなヤツはボランティアでも行って、何か人様の役に立つことをしろ」というのは、世に漂う殺伐とした感情であるが。本当にそれを体現して見せた松居。でもまあ、やっぱり清々しさとは無縁なのだが。
しかし、行きずりの市民の懐に飛び込み、恩恵を受ける才能には実に長けている松居。被保護性から「お情け」でいろんなことをさせてもらう出川哲朗とは異なるアプローチで、グイグイと善意を引き寄せつけ込んでいく様子は、一見の価値がある気がする。『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』(テレビ東京系)に、新たなレギュラー誕生の予感。キミならできる。抉れ、テレ東!
◎トレーナーと選手
ドラマで冒険性の強い役に次々チャレンジすることで、今までの自分とは違うダンジョンへ自らを導き、「斉藤由貴・第二シーズン」の到来を予感させていた斉藤由貴であるが。自ら巻き戻し。せっかく世間が忘れてくれていた「尾崎豊」「川崎麻世」「会見の後ろでカイヤ仁王立ち」「モルモン教」などの、マイナスなファクターを全て復習する形に。あーあ。せっかく「いろいろあって、いい女優になりました」の立ち位置だったのに。
尾崎の時の「同志」、川崎の時の「許し合い、癒やし合う仲」に続き、会見で斉藤由貴らしい詩的な文言が飛び出すかと思ったが。今井絵理子と似たようなレベルのつまらん弁明だけ。んもー。名言プリーズ。「むせび泣きをした」ので「介抱した」という相手医師のコメントの方が堂々と意味不明でよかった。魔性は死ななきゃ治らない、か。いや、これは死んでも治らないな。斉藤さんだぞ。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。