サイゾーウーマンコラム仁科友里「女のための有名人深読み週報」横澤夏子の結婚報告に見る悲哀 コラム 仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」 横澤夏子、結婚報告に見る“学生時代のカースト”に縛られ続ける女の悲哀 2017/07/20 21:00 女のためのテレビ深読み週報 横澤夏子オフィシャルブログより 羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。 <今回の芸能人> 「今後は、私の凝り固まっている結婚という理想にとらわれず」横澤夏子 (結婚報告ファックス、7月20日) 最近のバラエティ番組は、“人気者の闇”を取り上げる傾向があると思う。 例えば、「CanCam」(小学館)専属モデル・堀田茜は、『友達+プラス』(TBS系)で、休日は“ぼっち”で焼肉に行く姿を披露していたし、フリーアナウンサーの田中みな実は『もしかしてズレてる?』(フジテレビ系)で、「友達とかは、ドタキャンするかもしれないけれど、予約は裏切らない」と仕事の空き時間に、ぎっちぎちに美容やワークアウトの予定を入れていることを明かしていた。正直、1人で焼肉を食べたり、1人で美容めぐりをすることのどこが“闇”なのか、いまいちよくわからないが、視聴者がリア充を嫌う今、“闇”を積極的に見せる姿勢は、タレントとして必要だろう。 ビジネスとしての“闇”の披露が多い中、私は、横澤夏子の“闇”は作り物でないように思えて仕方がない。いろいろなバラエティ番組で、 せっせと婚活パーティーに通っていることを公言し、彼氏ができると『バイキング』(フジテレビ系)で「デートで行きたい場所は区役所、欲しいものは判子」とプレッシャーをかけまくる発言をするなど、結婚に関する思い入れが尋常ではないからだ。 番組名は忘れてしまったが、安室奈美恵が第一次ブレークを果たした90年代、当時の所属事務所社長が「女性タレントは、売れたら付き人を2倍に増やす」と言っていたのを覚えている。社長いわく、女性タレントは急に人気者になると、人気者でいるプレッシャーに耐えかねて、結婚や引退を言い出すことがあるそうだ(ちなみに、男性は売れても精神的に不安定にならず、ただただ調子に乗るそうである)。なので、付き人を増やし、「大丈夫」「応援している」と、態度で示す必要があるという。 横澤も、売れたプレッシャーから逃れるために今回結婚したのかと思ったが、売れない時から婚活パーティーに通っていたそうなので、結婚と売れっ子になったことは関係ないのだろう。また、横澤の結婚への執着は、“結婚式へのあこがれ”とか“相手のことが好きすぎて、頭がお花畑”といった類いの、若い女性にありがちな思考ともちょっと違う。まるで、大学の推薦入学や、予防接種のように「早いとこ済ませておいた方がラク」「しておけば安心」とでも言いたげな印象を受けるのである。 『文藝芸人』(文藝春秋)に掲載された横澤の「私が同窓会の帰りに泣く理由」は、私の疑問を解き明かしてくれた。横澤は自らを「コンプレックスの塊」「自分と友達をいちいち比べてしまう」と分析している。売れっ子となり、きっとみんなが自分をうらやましがってくれると思ったら、周囲の反応はそうでもなく、傷ついたとも書いている。 次のページ SNSでの“幸せ自慢”に噛みつく横澤 12次のページ Amazon 同窓会 DVD-BOX 関連記事 「SNSで自慢する女」への嫌悪感を語る横澤夏子、その裏側に見える“見下し”の目線松居一代、“前世からの縁”船越英一郎と夫婦破綻……それでもスピリチュアルを捨てない理由東野幸治の「手料理する人は優しい」発言に抱く、料理と“人格”を結びつけることへの違和感堀北真希、東村アキコ、小島慶子……“女子会”に一家言アリの女たちに見る、それぞれの人間性橋本マナミをけん制する壇蜜に見た、“負け上手”らしからぬ格付け意識