GENKINGの“ズレてる”自意識を浮き彫りにした「セレブ偽造で借金苦」の過去
「偽装セレブであることが友達にバレていなかったのか?」という質問に、GENKINGは「バレていなかったの。うまかったんだと思う」と答えていた。本人が「バレていない」と言ってるのに、私がこんな言い方をするのは何だが、友達にはバレていたけれど、GENKING本人に指摘しなかっただけじゃないかと思うのだ。
友達であれ同僚であれ、経済状況というのは、特に探る意志はなくても、一緒にいるとなんとなくわかってしまうものだと私は思っている。私が会社員だった頃、定年間近の女子社員による横領騒動に遭遇したことがある。男性上司たちは慌てふためいたが、同じ部の女子社員たちは、怪しい動きとメンパブ通いなど経済状況が明らかに変わったことに気づいていた。ただオトナだから気づかないふりをするし、口に出さないだけ。横領となると話が大きすぎるが、友達との関係でも「最近、買い物したって聞かないな」とか「よく旅行に行っているな」という具合に、ちょっとした変化を感じることはあるはずだ。
「GENKING本人だけが気づいていない」と思えた番組がもう1つある。17年1月16日放送の『バイキング』(フジテレビ系)に出演したGENKINGは、SNSで「おかま死ね」などの誹謗中傷に悩まされていることを明かしていた。美容家・IKKOは「(SNSでの誹謗中傷は)今までの積み重ねなんじゃないか」と、自分を振り返る必要性を説き、GENKINGも「その通りです」と認めはしたものの、「ハイブランドをがんがん載せると良くないと思う方もいる」と、誹謗中傷されるのは、ハイブランドを持てない人に嫉妬されたからだというズレた解釈を披露していたのだ。ブラックマヨネーズ・吉田敬は、「ネットの意見を真剣に見すぎ」と述べていたが、GENKINGにとってSNSとは“全世界”に等しいので、気にせずにはいられないのではないだろうか。
SNSには、「フォロワーは多いが、自分にしか興味がないので、トーク力がないことや目上の人を怒らせていることにすら気づかない」けれど「拡散力はあるので、時々テレビの仕事が入る」有名人がいる。狩野英孝の彼女として世に出た加藤紗里が代表例で、彼女を芸能人ではなく“SNS有名人”と書いたことがあるが、GENKINGも同じ分類の人に思えるのだ。近いうちに、GENKINGが紗里のSNSに「ずっと大好き」というハッシュタグと共に現れそうな気がしてならない。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、最新刊は『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
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