サイゾーウーマン芸能テレビドラマレビュー高橋一生が『直虎』で見せる芝居 芸能 イケメンドラマ特捜部【ジャニーズ&イケメン俳優】 大河『直虎』を建国モノ&イケメンドラマとして成立させた、高橋一生の冷静沈着な芝居 2017/05/21 16:00 ドラマレビュー 『直虎』で見せる冷静沈着な男とのギャップ ◎『直虎』で見せる冷静沈着な男とのギャップ 『おんな城主 直虎』で演じている小野但馬守政次は、何を考えているかわからない不気味な参謀という、高橋が得意とする役柄で、回を重ねるごとに存在感が増している。 戦国時代を舞台にした同作は、主人公の井伊直虎(柴咲コウ)が、女城主になるまでの過程を幼少期から丁寧に描いてきた。井伊直虎、井伊直親(三浦春馬)、小野政次という幼なじみの男女の三角関係をベースにした少女漫画的な物語だったため、戦国武将同士の勇ましい合戦を求める、昔からの大河ドラマファンからの受けは良くなかったが、直虎が城主となってからは、物語の積み重ねが実を結びはじめ、“建国シミュレーションモノ”として、どんどん面白くなってきている。 その屋台骨を支えているのは、不穏な存在感を見せている、高橋演じる政次だろう。父の井伊家筆頭家老・小野和泉守政直(吹越満)が、親友である直親の父を死に追いやり、直親が死ぬきっかけを作ったことから、政次は井伊家を乗っ取ろうとする悪役に見えた。しかし実は、今川家に従う振りをして井伊家(と直虎)を守ろうとしていたことが、明らかになってきた。 そうなると、政次の行動がいちいち気になって仕方がない。本心を隠したつるんとした表情で嫌われ役を演じながら、直虎を守ろうとする政次の気持ちを想像すると、切なくなってくるのだ。 柴咲が演じる直虎を筆頭に、登場人物の多くが、喜怒哀楽がはっきりとしたわかりやすいキャラクターばかりの中、政次は冷静沈着な男で、なかなか感情を表に出さない。せりふや表情に極端な変化がない政次を演じるに当たり、高橋は微妙な目の動きや首の傾げ方などと いった些細仕草の一つひとつで感情を表現している。ともすれば、ロボットのような無 機質な役になりそうだが、無表情でありながら感情の機微が見え隠れするという高度な芝 居を見せているため、目が離せない。 三角関係の一角を担っていた三浦が早々と退場した時、話が持つのかと心配だったが、 今の高橋を見ていると、この作品は各キャラクターの見せ場がうまく用意された「イケメ ンドラマ」であると、あらためて感心する。 高橋は現在36 歳。10 歳の時に出演した映画『ほしをつぐもの』から数えると26 年のキ ャリアを持つ若きベテランだ。10 代でスタジオジブリのアニメ映画『耳をすませば』の天 沢聖司役を声優として演じて以降、宮藤官九郎の『池袋ウエストゲートパーク』(TBS 系) や坂元裕二の『Woman』(日本テレビ系)といったそうそうたる脚本家たちのドラマに出演し、名脇役として名をとどろかせていた。 『おんな城主 直虎』以前にも大河ドラマには4 本出演しており、演技力に関してはすで に高い評価を確立していたが、今年に入ってからは女性誌「an・an」(マガジンハウス)でヌー ドグラビアを披露したりと、俳優以外の活動でも話題に上ることが増えている。 気になるのは今後、魅力的なナンバー2 という名脇役の立ち位置から、主演級の俳優へと 転身するのかどうかだが、しばらくは、二番手三番手のおいしいポジションで爪痕を残して いくのだろう。 すでに今年下半期のNHK連続テレビ小説の『わろてんか』に出演することも決定している。このまま順調にいけば、17年は高橋一生の年になることは間違いないはずだ。 (成馬零壱) 前のページ12 最終更新:2017/05/21 16:00 Amazon カルテット1 一生にハマれない女には逆風の時代…… 関連記事 星野源、坂口健太郎、高橋一生……2016年ドラマのイケメン俳優からジャニーズが消えた男性100人に聞いた「高橋一生は好き? 嫌い?」――「誰だかわからない」「無難なだけ」『カルテット』松田龍平&高橋一生に女性ファン熱狂も……7%台低迷で“大コケ”一直線!?高橋一生『カルテット』出演で大ブレーク間近!? 本人ムック本が「定価の10倍で取引」『死神くん』――キャラクタードラマで際立つ嵐・大野智の“人生に期待していない”強さ 次の記事 ビオレの定番クレンジング3種のヤバイ点 >