定番のビオレ洗顔料、汚れ落ちもコスパも◎だが構成に多々問題【本当はヤバイ洗顔料】
――「洗うだけでスキンケア」「角栓まで落とす」「潤いを与える」……洗顔料やクレンジングに躍るキャッチコピーは良いことばかり。でも、本当に肌にいいの? そこで、定番&人気のアイテムを、化粧品の成分解析で知られるかずのすけ氏と、化粧品検定一級で化粧品開発の経験を持つ安藤美和子氏(「アンチエイジングの神様」)が大検証!
■コスパ◎で汚れ落ちも良いが、構成に多々問題も
【商品名】花王 ビオレ スキンケア洗顔料 モイスチャー/同・リッチモイスチャー/同・マシュマロホイップ リッチモイスチャー
【PRコピー】
<モイスチャー>「洗うスキンケア」洗うことで 素肌の美しさをひきだす/洗い上がり、いい肌ざわり
<リッチモイスチャー>美容液成分配合/きめ細かくてやわらかな肌あたりの泡で、しっとりもちもちの素肌
<マシュマロホイップリッチモイスチャー>泡がへたらないから、洗い終わりまで肌をこすらず洗えます/洗いあがりしっとりなめらかな素肌
【総合評価(A~D)】
かずのすけ氏:モイスチャー C/リッチモイスチャー C-/マシュマロホイップ D
安藤氏:モイスチャー B/リッチモイスチャー B/マシュマロホイップ C
◎全成分
<モイスチャー>
水、グリセリン、ステアリン酸、ミリスチン酸、ラウレス-6カルボン酸、パルミチン酸、水酸化K、ラウリン酸、ソルビトール、ポリクオタニウム-7、PG、EDTA-2Na、メチルパラベン、香料
<リッチモイスチャー>
水、ソルビトール、グリセリン、ミリスチン酸、ラウレス-4カルボン酸、ラウリルヒドロキシスルタイン、水酸化K、ラウレス-6カルボン酸、ラウリン酸、エチルヘキシルグリセリン、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、ポリクオタニウム-7、パルミチン酸、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸PEG-100、EDTA-2Na、PEG-6、ポリクオタニウム-39、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、PEG-65M、酸化チタン、フェノキシエタノール、香料
<マシュマロホイップリッチモイスチャー>
水、グリセリン、デシルグルコシド、PPG-9ジグリセリル、ラウリルヒドロキシスルタイン、PG、ラウレス-6カルボン酸、エタノール、タウリン酸、ポリクオタニウム-39、炭酸Na、炭酸水素Na、ミリスチン酸、パルミチン酸、水酸化K、フェノキシエタノール、香料
<かずのすけ氏の成分解析評価>
・スキンケア洗顔料 モイスチャー/リッチモイスチャー
通常のカリ石けんに、花王専売特許の低刺激性洗浄成分「酸性石けん(ラウレス-6カルボン酸Na)」を配合。しかし、主成分は石けんなので基本的にはアルカリ性・高脱脂の洗顔料ということになります。高い洗浄力の、一般的なペースト状洗顔料です。
リッチモイスチャータイプは主成分にソルビトールが配合され、さらにアクリル系ポリマーなどの増粘成分が多く配合されており、保湿成分の残存を図っている工夫が見られます。通常タイプより洗浄後のしっとり感が強調される使用感が予想されます。ただし、成分の残存は必ずしも良いことではなく、敏感肌やアトピーの体質にとってはかえって肌に刺激になる懸念もある点注意が必要です。
・マシュマロホイップリッチモイスチャー
非イオン系洗浄成分「デシルグルコシド」を主成分にした特殊な洗顔料です。デシルグルコシドは食器用洗剤の補助洗剤にも使われる強力な脱脂成分(クレンジング剤)です。クレンジング作用もあり粘膜には低刺激ですが、強力な油分の除去力(脱脂作用)を持つため短時間での洗顔がマスト。さらに炭酸Naや炭酸水素Naによってアルカリ性に傾いているため、添加されている石けんの活性が強まり敏感肌への刺激が懸念される構成です。泡で出てくる洗顔料で使い勝手は良いですが、構成に多々問題がうかがえます。
<安藤実和子の使用感レビュー>