【連載】彼女が婚外恋愛に走った理由

不倫のきっかけは「妊娠した同僚への嫉妬」――母ではなく女として求められようとした、妻の後悔

2017/05/03 19:00

夫以外とするセックスは楽しくなった

 “母”であることを求められている彼女たちに勝つには、“女”として求められればいい――そう考えた真理子さんは、半年の間に2人の男性と関係を持った。

 もともとセックスに対して積極的ではなかった真理子さん夫婦は、ほぼセックスレス状態だったそうで、ご主人は、真理子さんがほかの男と寝ていることに「まったく気づかなかったと思います」という。

「夫には、私に対して色っぽい感情はとっくにありませんから。学生時代に消化しちゃったんじゃないかな」

 夫以外に関係を持った1人とは一度限り、もう1人とは数回の関係を持ったあとに自然消滅してしまったそうだ。

「セックスがいいとか悪いとか、体の相性が合うとか合わないとか、私にはよくわからないんです。肌が触れることもあまり好きじゃないし……こういう気持ちでいたから、相手にとっても私は『求めたくなる相手』ではなかったと思います」


 夫以外の男と寝ることは「想像していたほど楽しくなかった」と言う真理子さん。

「むしろ、自己嫌悪に陥りました。ドラマや映画のような大恋愛の上での不倫なんて、限られた人しかできませんよ。私みたいに、ルックスも何もかも平均点の凡人には無理だなって。自分の身の丈に合わないことは諦めます」

 不倫によって我を失う人もいれば、不倫によって我に返る人もいる。淡々と「不妊治療を頑張ります」と語る真理子さんの瞳は、どこか達観しているように感じられた。
(いしいのりえ)

最終更新:2017/05/03 19:00
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「不倫してみてよかった」ということもある