90年代に人気を誇ったTLCがニューシングルの音源を公開、歌詞が長年のファンを熱くさせる!
今を遡ること25年前の1992年、シングル「エイント・2・プラウド・2・ベッグ」で彗星のように現れたTLC。メイン・ボーカルのT-ボズ(46)、コーラスのチリ(46)、ラップのレフト・アイ(享年30)の3人からなるガールズグループで、ノリのいいサウンドはもちろんのこと、ポップでカラフルなファッションが世界中の注目を集めた。
ファーストアルバム『Ooooooohhh… on the TLC Tip』は600万枚売れるヒットとなり、セクシー路線に転向したセカンドアルバム『CrazySexyCool』も1,100万枚売れ、1,000万枚を売り上げないともらえない「ダイヤモンド・アルバム認定」を手に入れた初の女性グループとして歴史に名を刻んだ。
94年6月、カッとなりやすいレフト・アイが同棲していたアメフト選手のアンドレ・リソンの豪邸に放火。理由は「アンドレがスニーカーを大量購入した際、アタシの分は一足も買ってくれなかった」というささいなこと。バスタブにスニーカーを放り込み着火したところ、勢い良く燃え上がり、豪邸が全焼してしまったのだ。この事件で、彼女は5年間の保護観察と1万ドル(約108万円)の罰金を命じられ、放火事件に関する保険金なども合わせて、多額の支払いを抱えることに。レーベルからの支払いがあまりにも少ないこともあり、TLCは95年に米連邦破産法第13章を申請。大ヒットを飛ばすグループが自己破産したことは大々的に報じられ、グループはもうこれで終わりだと陰口を叩く声が上がった。
しかし、TLCは弁済計画を立て、レーベルとも和解。99年に「心配をかけ、今までないがしろにしてきたファンに捧げる」ために制作した3rdアルバム『FanMail』をリリース。収録曲「ノー・スクラブズ」などが大ヒットし、見事復活した。
4thアルバム制作中の2002年4月、レフト・アイがホンジュラスで自動車事故を起こし、他界。深い悲しみの底に突き落とされたT-ボズとチリだったが、残されたレフト・アイの音源を使い、アルバムを仕上げ、同年11月に『3D』をリリースした。
鎌状赤血球症の持病を抱えたT-ボズは、脳腫瘍を患ったり、自己破産に追い込まれるなど大変な苦労をしてきたが、見事克服。子育てもあり、私生活で何かと忙しいT-ボズとチリだったが、区切りをつけるためにTLCとして最後のアルバムを制作すると決意。15年にクラウドファンディングサイト「キックスターター」で「アルバムを制作する資金」の出資を呼びかけ、目標額の15万ドル(約1,600万円)をはるかに超える43万ドル(約4,600万円)を調達。
その後、2人はレコーディングを開始し、レフト・アイの死から15年たつ今月、最後のアルバムを6月30日にリリースすることを発表した。4月18~20日の3日間に、アルバム用のビデオと写真撮影を行うことも明かし、ファンに向けて「アルバムのタイトルが決められないので、何かいい案はないか教えてほしい」と呼びかけた。
そして、ファンは13日に大喜びすることになる。TLCが、ニューアルバムに収録されているシングル「Way Back」の音源とリリック・ビデオをリリースしたのだ。