取り巻きがひどい

申請後も思わぬところで一発逆転!? 自己破産したセレブたち

2012/06/25 11:45
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ダンナ(右)のおかげで立ち直ったエルトン・ジョン

 NBA史上最凶のリバウンダー&ディフェンダーと称されたデニス・ロッドマンが、最近いたるところで「破産」宣言しているという。今年離婚した3番目の妻への慰謝料6,000万円と月々の生活費400万円が支払えないほど金欠だというのだが、ラスベガスでギャンブル、酒、女に散財している姿もパパラッチされており、払うくらいなら自分で使いきってやろうと企んでいると伝えられた。裁判所はそんな彼に対して、「裁判官が下した判決に従わない」侮辱罪で保護観察処分等の制裁を下したが、相変わらずナメきっているようだ。ごっつい外見で女装マニアという性癖をもつデニスが、気軽に破産を口にするのは、破産という道を選び、見事に経済状況を立て直したセレブが多いからだろう。

 今回は、そんな驚きの破産申請エピソードを持つセレブたちを紹介したい。

■第5位 ゲイリー・ビジー(2012年に申請)

 ハリウッドでヒール役を演じさせたら右に出る者はいないとされるゲイリー・ビジーが、何の前ぶれもなく破産申請をしたのは今年2月のこと。80年代には交通事故で臨死体験をし、90年代にはコカインの過剰摂取で死にかけるという波乱万丈な人生を送ってきた彼に降りかかった新たなる試練は、67歳での自己破産であった。彼が抱え込んだ負債額は約8,000万円。対する資産はたった400万円またはそれ以下であり、完全に首が回らなくなってしまったのだ。

 ゲイリーの破産申請のニュースの中で、世間が何よりも驚いたのは、マネジャーが発表した声明であった。屈辱的な状況であるにもかかわらず、彼は自分のことを「偉大なるアメリカン・アイコン」だと表現したのである。これほどまでに上から目線の破産声明を出せるのはゲイリーのほかには誰もいないだろう。なお、その声明は以下の通り。

「ゼネラルモーターズやアメリカン航空など、数多くの偉大なるアメリカ企業が、破産というビジネス戦略ツールを利用したように、ゲイリー・ビジーも破産を申請することにいたしました。数年前から、過去の不幸な選択、事業者との関係、出来事、状況が、偉大なるアメリカン・アイコンであるゲイリーの身に次々と投下されてきましたが、そこから抜け出し、ソウルメイトであるステファニー(編註:内縁の妻)や息子と共に、新しく、平和で幸せでサクセスフルな道を歩みだすことにしたのです」


■第4位 トニー・ブラクストン(1998年と2010年に申請)

 深みのあるセクシーな歌声でR&B界の歌姫と崇められたトニー・ブラクストン。4,000万枚以上のアルバムを売り上げている彼女が突然破産をしたのは98年のことだった。負債額は3億円で、メイクやヘアー、衣装などに2億円近く使ったと報道された。しかし、彼女は「ツアーを行うために自腹を切り続けた結果」だと主張。「ステージライトの電球からバンドメンバーへのギャラ、ツアーバスのガス代に航空券、ホテル代や衣装代もすべて支払わなくてはいけないでしょう? これらはアーティストが支払うのよ」「この業界ではアーティストがすべての経費を支払い、残ったお金をかき集めるというシステムになっているの。そう、ビジネスのために私は破産することになったの。自分の人生だから自分が責任を負うのよ」と弁解した。

 破産のニュースを知った多くのファンからカンパ支援を受けるなど、何かと恵まれていたトニーだったが、なんと10年の誕生日に再び破産を申請。8,000万~8億円の資産に対して、8億~39億円の負債があるというアバウトな申請内容だったが、電話会社や一流ホテルにブランド店など債権者の数はかなりの数に上り、医療費や税金まで滞納していることが明らかに。本人は「病気のために、ラスベガスでのライブショーを途中で中止したことで発生した違約金が原因」だと説明。違約金を支払うための保険には入っていたものの、「既往症」を理由に保険会社が支払いを拒否したため、再び破産に追い込まれたと弁解している。

 「12年おきに破産する女」と陰口を叩かれるハメになってしまったトニー。10年には難病・全身性エリテマトーデスであることをカミングアウトしており、闘病生活を続けている。

■第3位 マイク・タイソン(2003年に破産を申請)


 元ヘビー級チャンピオンのマイク・タイソンは、約20年にわたるボクサー人生の中で238億~317億円もの収入を得たと伝えられている。1試合で24億円を稼いでいた彼は、大豪邸や高級車、ジュエリーにベンガルタイガーなど、欲しいものは金に糸目をつけずすべて購入。気前のよい彼は取り巻きが欲しがる物を買い与え、湯水のように散財した結果、03年にとうとう破産宣告をするハメになってしまった。

 マイクは宣告する前にラスベガスの宝石店で、80カラットのダイヤがちりばめられた1,400万円のゴールドチェーンをツケで購入。本人はすぐに支払えると思ったようだが、お金がなく未払い状態が続き、ようやくとんでもないことになっていると気がついたようだ。破産時の負債額は18億円以上。税金も10億円滞納しており、養育費未払い、トレーナーや会計事務所など、複数カ所への支払いが滞っていたと破産申請書類に記されている。

 マイクの代理人は声明で「人に資産管理を任せっきりにしていた結果、負債が資産をはるかに上回ってしまった」と説明。破産前の月々の生活費は3,100万円を超えていたが、危機感はゼロだったようだ。なお、破産後はさまざまな仕事を請け負うようになり、最近ではラスベガスで開催したワンマンショーが大好評。エンターテイナーとしての道を着実に進んでいる。

■第2位 M.C.ハマー(1996年に破産を申請)

 一世を風靡したラッパーのM.C.ハマー。90年代前半には26億円を稼ぐ世界的スターとなったのだが、そんな彼から恩恵を受けようと集まった多くの取り巻きによって、すっからかんになってしまった。

 取り巻きに乗せられ、9億5,000万円を費やして「みんなで住めて楽しめる」夢のような豪邸を購入。取り巻きも使えるようにとランボルギーニやリムジンなどの高級車を17台購入し、ヘリも2機購入。取り巻きと共に移動できるようにとボーイング727をリース。ちなみに取り巻きの数は40人。彼らの生活の面倒までみていたそうだが、彼らはおだてる以外は特に何もせず、ハマーは200人ものスタッフを別に雇っていた。

 資産を増やそうと馬主になったりしたものの、96年には資産7億6,000万円に対して負債は11億円に膨れ上がった。負債は猛スピードで増え続けており、ハマーは限界だとして連邦倒産法第11章、いわゆるチャプター11を申し立てた。破産後はライフスタイルを改め、「大切なのは神への信仰心と家族、友人だ」と牧師に転身。忘れた頃にアルバムをリリースしたり、ダンスウェブサイト「DanceJam」を立ち上げたりしたが、基本的に牧師業を主に活動していると伝えられている。

■第1位 エルトン・ジョン(2002年に申請)

 世界で最も成功したイギリス人シンガー・ソングライターのエルトン・ジョン。派手な衣装にパフォーマンスで知られる彼は、重度の浪費家としても知られており、今から10年前に破産を申請している。

 世界に5軒もの豪邸を持ち、総資産は209億円とも伝えられていたエルトン。破産するなど信じられない話だが、96年1月~97年9月に11億7,000万円を使い、99年に英金融機関マーチャント・バンクに31億6,500万円の融資を依頼している。それでも高級品購入をやめることができず、高級車やデザイナー服にジュエリー、アートコレクションを買いまくり、クレジットカードの支払いだけで毎月平均して3,100万円になってしまったという。

 このように湯水のように金を使った結果、毎月1億5,800万円以上もの負債がかさむように。任せておいた会計事務所の責任だと裁判を起こしたものの、弁護士団はエルトンの金遣いの荒さが大きな原因と指摘。「独身なんだし、金を使うのが好きなんだ」と反論したものの、訴えは取り下げられてしまい1,180万円の起訴料・弁護士費用の支払いだけが残った。01年には「ほとんどイギリスにいないから運転しないし」とジャガー、フェラーリ、ロールスロイスなど高級車20台を売却。しかし2億5,000万円の売り上げにしかならず、破産するハメになってしまった。

 しかし、ここからがエルトンのすごいところ。03年にラスベガスで長期公演をする契約を結んだと発表。05年には長年交際してきた彼と結婚して生活が落ち着いたこともあり、資産は80億円(2011年)まで増え、見事、巻き返しに成功した。

 ほかにも、3度も破産しているビリー・ジョエル、無名時代に立ち上げたバンドが軌道に乗らず自己破産しているシンディ・ローパー、養育費を滞納され自己破産に追い込まれたTLCのT-ボズ、住宅ローンに苦しめられ自己破産を申請したスティーヴン・ボールドウィン、離婚ですっからかんになり破産を余儀なくされた元メジャーリーガーのレニー・ダイクストラ、ジョージア州の町を16億円で購入した直後に、契約した映画の出演を一方的に取りやめたとして訴えられて莫大な違約金を請求され、自己破産を申請したキム・ベイシンガー、セレブたちとパーティーをしまくり、ゴシップを書きまくることで知名度を上げたものの、収入が支出に追いつかず自己破産したペレス・ヒルトン、などなど。

 なお、銀行から借りた金が返せず破産を申請をした後にも金欠状態が続き、スーパーマーケットから「ツケを支払わない」と訴えられていたドン・ジョンソンは、その後、出世作である『刑事ナッシュ・ブリッジス』の著作権をめぐる裁判で勝訴し約20億円をゲット。それなりのキャリアを積んでいるセレブは、破産しても大逆転できる可能性があるという見本となった。

「クロワッサン特別編集 家計簿 2012」

家計簿付けろって、荻原博子先生が言ってたぞ!

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最終更新:2012/06/25 14:09