サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビューうっとりと「のびのび子育て」を語るママたち カルチャー [女性誌速攻レビュー]「nina’s」3月号 「nina’s」に“北欧流の子育てをするママ”が登場! うっとりと「のびのび子育て」を語る 2017/03/06 21:00 女性誌速攻レビューnina's 「特にスウェーデン流の子育てを取り入れているつもりはない」と言いながらも、「絵を描くのが私も子どもたちもすごく好きなので、花を見ながら写生をしたり、落ち葉を拾ったらコラージュをしたり、旅行に行った思い出を描いてみたり。『このキレイな夕日をパパに見せたいから描く!』って娘たちが言い出すこともあるんですよ」と、読者ママたちが興奮のあまり卒倒しそうなクリエイティビティあふれた子育てエピソードを披露するのです。 よくできた夫、広い家、自然あふれる環境、整った制度、子育て家庭に優しい周囲の眼差し……読めば読むほどため息しか出てこない北欧子育て記事。そりゃ子どもたちものびのび育ちますわな。これはもう一生行かないであろう「世界の三ツ星レストラン特集」と同じ気持ちで読んだほうが良さそう。精神衛生上。 ここジャパンで問答無用に北欧を振りかざすのはもはや暴力に近いと感じると同時に、海外に赴いた日本女性が突如欧米的なものに開眼したときの「日本(笑)」といった嘲笑に、実は一番深い闇があるなと思いました。週末IKEAに行ってかりそめのスウェディッシュに浸るというのが、正しい北欧との距離感なのかも。 ■3世代リンクコーデは幸せ地獄の象徴 さて続いてご紹介するのは、みんな大好き「nina’s」街角スナップ。今号はこれがなきゃ不便な立地のIKEAに行けやしない、「車でおでかけday スナップ」。リードには「車移動だからこそできる親子ファッションや便利なアイテムなど、ママ達のおでかけの工夫が目白押し!」とあります。親子スナップもくるところまできた感ありますね。 「四駆ファミリー」「コンパクト&軽派ママ」「ファミリーカー&セダン派」……自慢のマイカーをバッグに、微笑むオシャレ親子たち。どのママも「車移動だと防寒を気にせず思いっきりオシャレを楽しめる」と満足そう。 通常の3倍の濃度でリンクコーデにも気合が入っています。「白ニット×キャメルで三世代リンク!」「今日は4世代でショッピングモールにお出かけ!(中略)大人は黒を基調にコーデ」など、パパはもちろん、ばあちゃんたちもリンクコーデの標的に。ばあちゃんたちは出かける前に娘(オシャレママ)から「今日は黒で」「白ニットにキャメル縛り」など本日のドレスコーデが送られてくる、まさに幸せ地獄……。 こんな方もいらっしゃいます。車に対するこだわりは割と実用的なものが並ぶ中、こちら古着店のオーナーパパ。車種は古いメルセデスベンツ。「カセットしか聴けないのも味があって◎」なんだそうです。ドライブの強制リンクコーデを喜べるか、カセットしか聴けないことに「◎」できるか。それがこの雑誌を楽しめるかどうかのわかれ道だと痛感しました。 家と車。幸せな家族の象徴たるアイテムをドドーンと披露した今号の「nina’s」。昭和の価値観にオシャレのガワを着せてポップに見せるのが天才的にうまい「nina’s」の真骨頂がいかんなく発揮されておりました。オシャレなママと呼ばれるためには、ファッションも家も車も子どもも夫もばあちゃんもオシャレでなければいけない。やっぱりたまにIKEAでミートボールにジャムつけて食べるくらいがちょうどいいかな……。 (西澤千央) 前のページ12 最終更新:2017/03/06 21:18 Amazon nina's(ニナーズ) 2017年 03 月号 [雑誌] 女性誌はそろそろ「四駆」と「SUV」を分けた方がいいぞ 関連記事 「正解を先回り」して安堵する「nina’s」子育ての息苦しさ育児の株価を上げるために、「nina’s」で改心を叫ぶ元夜遊び系アーティストママたち!一色紗英が「nina’s」10周年記念で、「母になったら普通のことを普通に言っちゃいけない病」を炸裂圧力鍋やレイコップに罪悪感……「nina’s」の頑張らない子育てがしんどい冷えとり、マクロビ、ツボ押し……「nina’s」のトンデモナチュラルな“2人目妊活” 次の記事 NEWS・小山「るんるーん」でファン逆撫で >