セカオワ・Saori、Fukaseへの“依存”に見る「幼馴染を強調する女」の面倒くささ
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今回の芸能人>
「幼稚園からずっと一緒に生きてきた我がボーカリスト」SEKAI NO OWARI・Saori
(1月12日 公式Twitter)
数年前、ある女性週刊誌から当時プチブレークを果たしたSEKAI NO OWARIの人気の秘密について、コメントを依頼されたことがある。ちょうどその頃、『情熱大陸』(TBS系)が彼らの特集を組んだのでチェックしたわけだが、はっきり言って気持ち悪かった。
同番組では、中学の頃、Fukaseは集団リンチに遭ったことで学校に行かなくなり、アメリカに留学するも、パニック障害を発症して精神科の閉鎖病棟に入院していたという過去が明かされた。そんなFukaseを支えたのが、幼稚園からの幼馴染であるSaoriと、小・中学校が一緒のNakajinだった。Nakajinは、不登校だったFukaseの家まで毎朝迎えに行くなど、彼を見捨てなかったそうだ。バンドを結成した彼らは、都内の一軒家(通称・セカオワハウス)で共同生活を始める。グラム29円の肉を食べながら音楽活動に勤しみ、ブレークを果たした後も、変わらず仲良く一緒に暮らし続けているという。
「1年のうち、300日は体調が悪い」というFukaseを、メンバーであるSaoriとNakajinが支えている。特にSaoriは「私の夢は、Fukaseの夢をかなえること」と妻でもないのに、藤原紀香もびっくりの梨園妻並みの熱さでFukaseを支える気マンマンだ。
善良な人なら、彼らの“メンバー愛”“絆”に感動するだろうが、私にはSaoriとNakajinが、Fukaseに勝手に“依存”している関係にしか見えなかった。SaoriはFukaseの誕生日のブログに「もっともっと頑張らなくては、彼を孤独にしてしまう」と綴っているが、番組ではFukase本人が「生きていて楽しい」とも語っているので、それほど心配する必要はないのではないだろうか。Fukaseが孤独を感じてないとはいわないが、セールスも順調で、芸能人の彼女だっている。Saoriの考えすぎじゃないかという気がしてくるのである。
それはさておき、Saoriは頑張っている。例えば同番組では、初めてセカオワが、低音の曲に挑戦したレコーディングの様子が流れたのだが、思うように声が出ないFukaseは、「全然歌ってる感じがしない」「何この人、歌手なのに全然声が出てないけど、歌ってる? とか言われたらいやだもん」とゴネる。ディレクターを務めるSaoriは、怒るどころか、むしろうれしくてたまらないといった感じでFukaseをなだめすかし、最後には納得いくものを作り上げた。SaoriはFukaseを褒め、FukaseはSaoriに逆らったことを謝罪する。そんなFukaseを見るSaoriは、またも笑顔である。