芸能
スキャンダルだらけの芸能界

「SMAP解散」「のん独立」「ベッキー不倫」「フジ凋落」芸能ニュースを弁護士が斬る!

2017/01/08 19:00

2016年のスキャンダルクイーンは間違いなくベッキー

◆「ベッキー不倫騒動」――「クビを切る」より「切腹してもらう」方がベター
 「元気でまっすぐないい子」というイメージで売っていたにもかかわらず、突然、「文春」にゲスの極み乙女。川谷絵音との不倫関係をすっぱ抜かれたベッキー。その影響で、出演CM10社全てが消滅し、活動休止を余儀なくされた。億単位の違約金が発生したと報じられ、ネット上では「なぜ事務所はベッキーを解雇しないのか?」といった声も上がったが、実際に事務所は、こうした芸能人を「解雇」できるのだろうか? 

【近衞氏の見解】
 「解雇」というのは、社員として、会社と雇用契約を結んでいた場合に使われる言葉です。社員が一発解雇になるのは、横領などの数少ないケース。契約上のミス、業務上のミスで会社に損害を与えたとしても、解雇にはそうそうなりません。そもそも、労働事件で会社が原告になる――つまり労働者個人を訴えると、裁判官はイヤな顔をしますね。組織と個人、という関係の中で、法律では、被用者は圧倒的に守られるべき立場にあるからです。

 一方、ベッキーさんのような芸能人の多くは、「業務委託契約」でしょうから、解雇ではなく「契約の解除」となります。このケースでは、違約金の問題次第ですが、十分に契約解除理由にはなるでしょう。しかし、不倫騒動で仕事がなくなり、契約の違約金を払ったことで事務所の運営が困窮し、社員を雇えなくなったとしたら、解除するより、事態が収束してから仕事に復帰してもらい、稼いでもらった方が事務所としては採算が取れるのでしょう。

 解雇の場合は、解雇理由があっても「その解雇が濫用か否か」という判例上の要件が加わりますので、業務委託の解除の方が要件は厳しくありません。とはいえ、タレントの場合、労働者的な側面もあるので、業務委託の解除の場合もその点が考慮されるでしょう。

 例えば、アイドルで「恋愛禁止令」ってありますよね。たとえ契約上恋愛禁止と書いてあっても、私的な恋愛で解雇とか解除とかはできないと思います。あれはどう見ても行間があって、「ファンに対して擬似恋愛の関係を形成するのもアイドルの業務で、ファンとの信頼関係を壊すような私的行為は許されない」という趣旨で理解すべきものです。要はバレなければよい。報道される見込みが強い、あるいは報道された、あたりがポイントになるでしょう。夢を売る商売なのだから、身を律せよ、ということです。

 ただ、現実問題としては、解除するより、タレント側の方から契約の解消を申し出てもらう方が、会社としてはトラブルが少ないので、「クビを切る」より「切腹してもらう」方がベターです。一度解除のルールを決めると先例になりますしね。

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