書くのは素人、チェックも素人 キュレーションサイト=パクリは必然だった!?
DeNAが運営していた医療、健康などを扱うキュレーション(まとめ)サイト「ウェルク(WELQ)」が、不正確な記事を掲載していたことが問題となり、全記事が非公開化。さらに、稼ぎ頭といわれていた「MERY」をはじめ、その他のサイトについても、情報の信頼性や著作権侵害の可能性が指摘され、軒並み非公開になった。12月7日、経営陣が謝罪する事態となり、同社の信用は地に落ちた。
■素人ライターが記事を大量生産
一連の報道は、キュレーションサイトを運営していた他社にも大きな影響を及ぼしている。それらのサイトに掲載されている大量の記事は「クラウドライター」と呼ばれる素人ライターによって粗製乱造され、他サイトやブログなどの記事や画像を無断転載しているものも多いことが発覚。記事の一部を非公開にした企業も少なくない。しかし、多くの職業ライターたちはこの騒動を冷やかな目で見つめている。
「いろんな情報を“わかりやすく”まとめたキュレーションサイトは、もともとパクリありきのものですけどね(笑)。しかし、DeNAは医療系の記事をパクっていたのがやばい。もともと執筆業の中でも、医療、化粧品、健康食品なんかの肌につける、体内に入れる系の記事は、専門性が強いから、プロのライターでもおいそれとは手を出せないジャンルです。だから、そういうジャンルに強くてメーカーとの信頼関係もある、プロの中のプロに任せるのですが、ライターの数も限られるし、取材やら準備にも時間がかかるから、あんな量の記事を作れるはずがないんです」(ITライター)
キュレーションサイトの記事の大量生産を担っていたのが、クラウドソーシングサイトに登録するクラウドライターだ。キュレーションサイトの運営側は、クラウドソーシングサイト上でクラウドラ
「私も試しで登録したことがあるんですが、登録時に課題の記事を書かせて、文章の上手さ、
最低ランクの場合、1,000文字の記事でギャラが700円とすると、月200本記事を書いても大卒の初任給程度にしかならない。登録しているライターの多くは小銭が欲しい主婦や学生など、素人同然の人が多く、それで食っていこうと思っている人は少ないのではないかという。
「私のような紙媒体出身のライターはクオリティにこだわりますが、ネット記事で重視されるのはスピードです。そして、スピードと量を重視するなら人海戦術に頼るしかありません。しかし、仕事のクオリティに対して正当な評価を求めるプロのライターに書かせると予算が合わないから、素人同然のライターに書かせて記事の単価を下げるんです。今回のDeNAの報道の影響ですか? 漏れ聞こえてくるところによると、どこも大変みたいですよ、『うちのサイト内でパクった記事はどれだ!?』って(笑)」(エンタメ系雑誌ライター)