フジ年間トップは9.8%『フラジャイル』!? ドラマ視聴率オール1ケタの大惨事
10月期の秋ドラマ前半戦がほぼ終了した。2年ぶりの連続ドラマ化となった米倉涼子主演『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系/木曜午後9時~)は平均視聴率で20%の大台を超え、変わらぬ強さを見せつけている。同局の鉄板ドラマ水谷豊主演『相棒season15』(水曜午後9時~)も、過去のシリーズより低調ながら、15%前後の安定した視聴率をキープ。また、新垣結衣主演『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系/火曜午後10時~)、石原さとみ主演『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系/水曜午後10時~)も好調な数字を維持している。
そんな中、今期も“一人負け”状態なのが、低迷続くフジテレビだ。Hey!Say!JUMP・山田涼介主演『カインとアベル』(月曜午後9時~)は、初回8.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、“月9”史上最低のスタート。その後も一向に上向かず、11月14日放送の第5回までの平均は7.8%。このペースで推移すれば、今年4月期の福山雅治主演『ラヴソング』の全話平均8.5%を下回り、“月9”史上ワースト視聴率を更新する可能性が高くなった。
今期より、放送時間が午後10時から午後9時に移動した火曜ドラマ、吉田羊主演『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』は、初回から5週連続8%台。低レベルで安定しており、この先、2ケタ台に乗せるのは難しい状況だ。
悲惨なのは、“高視聴率女優”だったはずの天海祐希が主演する『Chef~三ツ星の給食~』(木曜午後10時~)。これまで、主演ドラマで着実に視聴率2ケタ台をマークしてきた天海だが、同ドラマは初回から1ケタ続きで、第4話では4.9%と、よもやの5%割れを記録。11月10日放送の第5話までの平均は6.8%で、今期プライム帯の民放連ドラ(テレビ東京を除く)でビリという低迷ぶりだ。ここ最近、西島秀俊、篠原涼子、福山、松嶋菜々子といった大物俳優・女優に、ことごとく赤っ恥をかかせてきたフジは、天海をも潰してしまった。
玉木宏主演の『キャリア~掟破りの警察署長~』(日曜午後9時~)は6~7%台をウロウロしており、11月13日放送の第6話までの平均は7.2%。今年4月期、3年ぶりに復活した「日9」ドラマは、TBS日曜劇場との競合もあり、苦戦続き。4月期の芦田愛菜&シャーロット・ケイト・フォックス主演『OUR HOUSE』の全話平均4.5%、7月期のHey!Say!JUMP・中島裕翔主演『HOPE~期待ゼロの新入社員~』は全話平均6.1%で、これらと比べると、『キャリア』はまだましだが、よほどのことがないかぎり、2ケタに乗せるのは厳しそうだ。
今期も低迷が続くフジの連ドラ。実は今年に入って、最高全話平均視聴率を獲得したのは、1月期のTOKIO・長瀬智也主演『フラジャイル』の9.8%。つまり、このままいけば、全話平均で2ケタに乗ったドラマが年間を通して1つもないという惨状に陥りそうだ。ここから先の巻き返しに期待したいものだが……。
(田中七男)