【連載】美容整形Dr.高須幹弥に訊く!

「患者さんが犯罪者だった」Dr.高須幹弥を驚かせた“珍しい整形理由”を教えて!

2016/10/31 21:00

■犯罪者が美容整形外科で見せる裏の顔
 一番驚きなのは、やっぱり犯罪者かな。以前に手掛けたことのある患者さんが、ある日テレビで犯罪者として報道されてビックリしたことは何度かあります。そういう人に限って、すごく礼儀正しいいい患者さんだったり、リピーターだったりして、そのギャップに余計驚かされるんですよね。

 ただ、ドラマや映画でよくあるような「逃走のために整形で顔を変える」というのは、実際にはほとんどありません。以前、指名手配写真と逮捕時の顔が若干違っていて、逃走目的の整形を疑われた犯人もいたけれど、もし本当に逃げるためならもっと大胆に整形するでしょうから、おそらく純粋に整形をしたかっただけなんじゃないかな。

 犯罪者の中にはサイコパスやナルシストの素質を持っている人が結構いて、そういう人は自身の顔への執着も強い傾向にあります。だから、犯罪に手を染める前から整形を繰り返していたり、犯罪後であっても美容目的で施術を受けたりするのではないでしょうか。

 ほかにも、末期がんでやせ細ってしまった方が、わずかな余命を自分らしく生きるために、がん治療に影響のないヒアルロン酸などで、ふっくらしていた頃の自分の顔を取り戻したいという例も。「棺桶に入るときはキレイな姿でいたい」との思いもあるようですね。

 整形を希望して僕の元に来られるかたはご事情もそれぞれです。お話を聞いて本当に整形の必要がないと感じれば、その旨はきちんとお伝えしますが、患者さんにとってプラスになるような意義があるなら、理由を問わず、僕は技術を提供しますよ。


高須幹弥(たかす・みきや)
美容外科「高須クリニック」名古屋院・院長。オールマイティーに美容外科治療を担当し、全国から患者が集まる。美容整形について真摯につづられたブログが好評。
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最終更新:2016/11/01 18:34
『逃亡者(文春文庫)』
まさか和子もナルシストだった……?