コラム
角川慶子の「シロウトで保育園作りました」第122回

今の子どもは「快適」に慣れすぎ!? 自制心を養うため保育園で“あえて”揉め事を起こしてみた

2016/10/15 16:00
これが問題勃発するスプーンです。快適すぎる環境は、子どもが育たないので、揉め事をあえて起こすのが私の仕事

 「駒沢の森こども園」では、少しずつハロウィンの話題が出始めました。卒園した子どものお母さまから、「今年はいつですか? 手伝います」などの連絡をもらい、子どもたちも衣装を買っているみたいです。保護者がこの連載を読んでいるので、私の衣装は秘密ですが、娘が「10月31日の夜は、仮装して六本木を歩きたい」と言い出したので、昼も夜も仮装することになる予定。娘はヨーダです(笑)。娘が通う私立小学校は11月1日~6日までお受験休みになるので、今年も娘と2人で京都へ行く予定です。小さい頃から神社&仏閣ばかり連れて行っていたので、気づくと娘もスピ女ですね。

■「公園は汚い」神経質なママが子どもの成長を阻害

 今日は保育園での最近の出来事を紹介します。

 給食のスプーンを買い替えることになり、私はわざと“あること”をしてみました。

 今まで、全員同じもので揃えていたのですが、今回はあえて、赤青の2種類同数で購入したんです。ランダムにスプーンが配られるので、子ども特有の「赤がよかったのにっ!!!」と騒ぐ事件を起こすためです。そう、自制心の練習。

 今の時代、親がなんでもかんでも手伝ってしまい、常に「快適」状態しか子どもは知りません。そんな子どもたちが「不快」なことに出合ったとき、自分でどう対処するかを学ばせたかったのです。

 保育園柄、お受験を控えている子どもが多く、自制心がなければお受験には合格しません。行動観察でほかの子どもにクレヨンを取られただけで、「〇〇(自分)ちゃんが使うの!」とやりかねません(笑)。「どうぞ」「いいよ」「貸して」「一緒にやろう」ができなければ、どれだけペーパーができても一発で不合格です。受験関係なく、上手に遊べない子が小学校に行ったら、「あの子キツイ」と、友だちが離れていきます。

 そんなことを考えて色違いで購入したわけなのですが、案の定、「赤っ!」と大泣きする子が出ました。次の日も同じ子です。ここで本人の希望通り、赤スプーンと交換してはいけません。「今日は青で我慢しよう」「先生も青スプーンで食べるよ」と指導します。あとは泣きやむのを待って、落ち着かせて、食事をさせればOK。ほとんどの子は「明日は赤だといいね」で終わりますけど。2~3歳ぐらいが一番イヤイヤが強いのかな。4歳ぐらいになると、泣いている子に「そんなに泣かなくていいじゃない」となだめています。

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