モデル、客室乗務員、キャバ嬢……議員秘書のユニークな前職
国会議員秘書歴20年の神澤志万と申します。セクハラ、パワハラ当たり前! 映画もテレビドラマもかなわないリアルな国会とその周辺について、現役議員秘書が暴露します。
■秘書もいろいろ。あんな過去、こんな過去……
秘書歴も20年もたつと、かつての秘書仲間が地方議員や国会議員になっていたりするものです。議員会館の廊下ですれ違う元秘書仲間の議員さんの中には「おー、しまちゃん。元気?」と大声で話しかけてくれる方も……。しかし、コワモテで通っている神澤なので、正直恥ずかしくて仕方がありません。男性議員と気軽に話をしていたら、愛人と誤解されないか心配になります。
これについては、「そんなふうには絶対に見えないから安心して!」と新人秘書から太鼓判を押されました。喜んでいいんでしょうか(笑)。なんせ神澤は、仕事ぶりからか、いつも「田中眞紀子さん」をイメージされています。最近ブームの田中角栄氏の娘さんですから、光栄に思わなければいけませんけどね。
全国各地にいろいろ助けてくれる地方議員の仲間がいるのも長年のキャリアのおかげです。一緒に汗をかいて、仕事をがんばった仲間というものは信頼関係も厚く、助け合える宝物です。こういう宝の数も、秘書の能力の度合いを測るポイントのひとつになっているかもしれません。
先日、神澤のボスが所属するグループに新人秘書が入ってきました。新人といっても40代の男性。前職はプロ野球球団の職員さん。プロ野球大好き議員たちと野球談議に花が咲いていました。球団の裏事情は、とても面白いです。大学生のインターンとも自然に話ができていて、今後に期待できそうです。
ずっと秘書をしていると、忙しすぎて異業種の方たちと接する機会が少なく、上手にコミュニケーションが取れなくなってきてしまう人が多いんです。彼のように幅広い世代と会話ができるということは、いろいろな政策のニーズを汲み取れるってことですからね。
■飲み会番長も秘書の重要な仕事
そういえば、球団のチアリーダーから転職した秘書さんもいました。面接に胸元が強調された洋服を着て、なおかつ金髪だったと話題になってました。1カ所目の事務所は、金髪で面接に失敗したので、2カ所目は黒く染めて受けてましたね。見事合格して、2~3年間働いていたと思います。派手な見た目とは裏腹に高学歴で仕事も真面目でした。元タカラジェンヌの男役だった秘書もいたなぁと。2人ともスタイルが飛びぬけて良くて、とっても目立ってました。
モデル出身の秘書も数名いますし、蓮舫さんの後輩にあたるキャンギャル出身の人、キャバ嬢やホステスをしていた人たちもいます。共通しているのは、おじさんのあしらいが上手なことです。どうしても、見た目の良さで採用されたため、仕事内容が「会合担当」(いわゆる飲み会番長)になることが多いように見えますね。
もちろん、会合担当も秘書の重要な仕事のひとつです。企業の方たちとの飲み会は政治資金パーティの売り上げに影響しますし、後援会の方たちとの飲み会は、自分のボスの選挙に影響がありますからね。
ただ、これら本当の美人秘書は、なぜか週刊誌が企画する「国会議員美人秘書特集」には登場しません。控えめだからなのか、ボスの許可がおりないのか……。「美人秘書特集」を見るたびに「謎」に思います。神澤に人選させてもらえたら、リアルな「美人秘書特集」をお届けできるかもしれませんよ。
また、航空会社の客室乗務員出身の方たちは、採用時にとても評価が高いです。言葉遣いや物腰がとても素敵な方たちばかりです。議員事務室のドアを開けた時の対応から違います。後で、前職を伺って「やっぱり」と思いますね。整理整頓も上手で、航空会社の厳しい訓練を受けてきた人はすごいなって感心します。