一ノ瀬文香の「夜のお店で働いてみた」レポート

「二丁目デビュー」するなら初心者が集まる女の楽園へ 「夜のお店で働いてみた」レポート

2016/09/22 15:00

第3回 レズビアンが集まるお店「どろぶね」

 女のコ大好き! そして新宿二丁目大好きなタレント、一ノ瀬文香です。

 夜の街には、行ってみるのにちょっと勇気のいる個性的な店もありますよね。そういう店で私が実際に働いて、従業員目線とお客さん目線の両方からレポートします。

 今回紹介するのは新宿二丁目にある「鉄板女酒場どろぶね」。もともと私がお客さんとして楽しませてもらっているお店です。

■ほっこりと落ち着いた雰囲気で、二丁目初心者が多い店


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明るく入りやすい雰囲気の「どろぶね」

「もしもし、明日の土曜日、従業員足りてる? バイトしていい?」
「明日ならいいよ」

 二丁目に一番人が集まる土曜日に、急遽時間ができたので、どろぶねに連絡してみました。そして、すぐにバイトをすることが決定! オーナーのさとこさんは即断即決なのです。

 そんな頼もしいさとこさんですが、普段はどちらかというと物静かで控えめな性格。見た目はフェミニンで可愛いのですが、決して派手な印象はありません。店内の雰囲気もほっこりした人柄を反映していて、どこか懐かしく、家のようにくつろげる空間なのです。二丁目には飲みコールがあるようなわいわい系の店もありますが、どろぶねは落ち着いて自分のペースでお酒を楽しみやすい店。ノンアルコールのドリンクの種類も豊富で、お酒が飲めない方でも居心地が良いことでしょう。

 そんなわけで、どろぶねには二丁目初心者が集まりやすいのです。1人で来るお客さんも多いですね。席はカウンター席のほか、テーブル席も3卓あります。

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オーナーのさとこさん

 店内でくつろいでるのは人間だけではなく、ワンちゃんも。犬同伴での入店も可能で、店の看板犬である、さとこさんのワンちゃんや、お客さんのワンちゃんもいることがあります。看板犬は保護犬で、さとこさんは保護犬猫活動もしているので、活動や保護犬猫を飼うことに関心がありましたら、そのような話を聞くこともできます。


 お客さんの95%は女性。セクシュアリティはレズビアンのコが一番多いですが、バイセクシュアルや異性愛者のコもいますし、初心者が多い店だけあって「女のコが好きだと思うけどまだよくわからない」というコたちも多いです。

 男性も入店できますが、ただし、異性愛者の男性は初回、女性と同伴ではないといけません。さまざまなセクシュアリティの女子たちが集まる店なので、それを理解してもらえないとお客さんたちに迷惑がかかるかもしれないので、という配慮からです。

 メニューは、お酒に合う焼き枝豆やはんぺんチーズなどのつまみもあれば、お好み焼きや丼ものなど、夜ごはんとしてガッツリお腹を満たしてくれる料理もあります。ちなみに私のオススメは「豚野郎天」。店が移転する前はメニューに載っていましたが、今は裏メニュー。豚トロや豚バラがたっぷり入ったお好み焼きです。これに、必ずチーズをトッピングし、お腹に余裕があるときはソバもトッピングするのが私のお気に入りの食べ方。ぜひ、試してみてほしいです。

 ちなみに、料理の油はすべて、さとこさんの実家で作られている、純国産の米ぬかから抽出した米油を使っています。コレステロール値の低下や自律神経失調症の改善に良いといわれる、貴重な栄養成分が入っているそうで、この油で揚げた物は冷めてもおいしく食べられます。

■シャイだけど優しいお客さんが多い

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当日はこんな格好で働きました

 バイト当日、「服装のリクエストある?」とさとこさんにメールすると、「露出希望!」と返信が。そこで、気合を入れて露出のサービスをしようと思い、水着+エプロンの格好で働くことにしました。

 店は基本、19時から営業。私は20時から働くことになり、20時少し前に店に行くと、すでにお客さんが10人以上も入っていました。

 水着+エプロンの格好で店内のみなさんに「新人の一ノ瀬です! 可愛いがってくださいね!」とご挨拶。すると、ほっこりとした店内の雰囲気が一変して、お客さんたちがざわつきました。素人感ゼロの私が露出した格好をして、元気良く“新人”なんて言ったことで、みんな苦笑していたようです(笑)。

 この日の出勤は、さとこさんと従業員のけいさん、そして私の3人でした。けいさんはカウンターの中でフードを調理し、さとこさんもドリンクを作っていたので、私はカウンターの外でお客さんのところを回り、ご挨拶しながら食器を下げたり、追加のオーダーを聞いたり、フードやドリンクを運ぶことにしました。ある3人組のお客さんに「谷間がすごいねぇ」と言われて、「触ってもいいっすよ! 」なんてライトなやり取りをしていたのですが、1人から言われました。

「元気だけど、人見知りでしょ? あんまり目を合わせないよね」
「……いや、合わせる! ほらっ! いや、はい、人見知りっす……」

 私は女のコが大好きですが、初めましての女のコ集団には戸惑ってしまいます。性格が男性的なので、いわゆる女子会トークをするのが得意じゃないのと、女のコを意識してしまうからこそ、ちょっと恥ずかしいのです。オーナーのさとこさんもそうですが、普段は物静かなのに人のことをよく見ていて、時々ズバッと核心をついてくる感じのお客さんでした。そして彼女は、「よかったら何か飲んで」と気遣ってくれました。優しいですね。やはり店というのは、オーナーや従業員に似たようなタイプが集まりがちだな、と思いながらお酒を頂きました。

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