一ノ瀬文香の「夜のお店で働いてみた」レポート

SMバーに女1人で行く楽しみとは? 縛りや鞭打ち体験だけじゃない魅力

2016/08/24 15:00
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アマルコルドの店内

第2回 SMバー「アマルコルド」

 女のコ大好き! そして新宿二丁目大好きなタレント、一ノ瀬文香です。

 夜の街には、行ってみるのにちょっと勇気のいる個性的なお店もありますよね。そういうお店で私が実際に働いて、従業員目線とお客さん目線の両方からレポートします。

 今回紹介するのは新宿二丁目にあるSMバー「アマルコルド」。もともと私がお客さんとして楽しませてもらっているお店です。

■SMの道具に触れられ、縛りや鞭打ちを体験できる


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左がアマルコルドの従業員Kanadeです

 二丁目には私がプロデュースしている「プチ!NATURAL」という、どなたでもご利用できるバーもあります(ただし、泥酔しているなど他のお客さんにご迷惑をおかけするような方は、入店を御断りする場合があります)。そのプチ!NATURALの従業員の1人であり、アマルコルドの従業員でもあるKanadeというコの紹介で、1日、アマルコルドで働かせてもらうことになりました。

 アマルコルドの従業員たちはみんな、美意識が高く、日頃から顔にもスタイルにも気を使っていて、女子から憧れられるような女子ばかり。勤務中は体のラインがよくわかるボンデージやエナメル素材のスーツなど、華やかで露出度が高い衣装を着ていて、「毎日がハロウィン」のような二丁目の街中を彼女たちが歩くと、とても目立ちます。その姿は、露出度が高くとも上品で、大人のセクシーさを存分に醸し出しています。私も今回、自分の持っているフェティッシュ系の衣装にKanadeに借りたものを組み合わせた格好で働きました。

 アマルコルドは20時からオープンしていますが、私は22時から働くことに。お店の事務所で着替えやメイク直しをしてから、22時ちょっと前にお店に入りました。SMバーで働くのは今回が初めてでしたので、まずはこの日に出勤している従業員のみなさんに「新人の一ノ瀬文香です。よろしくお願いします!」と、トーンを上げた声でご挨拶。ところが、「(二丁目や水商売の)玄人が働きに来る」と聞いていたようで、誰も新人扱いしてくれず、「いいから早く働いて!」と冷めた視線を送られました(笑)。

 従業員は、女王様、M嬢、どちらでもないけどSMに詳しいコ、といるのですが、全員それぞれの個性を活かした、バラエティ番組にも出演できそうなトークでお客さんたちを楽しませていて、サービス精神が旺盛。それも人気店の一因となっていると感じます。

 お客さんたちの性別は女性も男性も、どちらでもない人もいます。性癖はMもSも、そうでない人も、またさまざまな変態さんもいるのですが、全体的にM寄りの人が多いようです。


 店内には、お客さんの見えるところに檻や縄、鞭、ペニバンなどが置かれていて、そのような道具を触ってみることもできますし、それらの使い方を従業員から教えてもらうことも可能です。ただし、こちらはバーですので、もちろん性的なプレイはありません。

 お遊び的に洋服の上から縄や鞭を体感することもできますが、それはあくまでお客さんに喜んでもらうためのサービス。従業員から強引にされるようなことはありません。体感したい場合は、従業員に素直にお願いしてみましょう。縛り方や鞭のふるい方は本格的です。縛りは見た目がアーティスティックできれい。2重の縄が整然と服の上から模様を描いていき、まるで服の上にアクセサリーをつけたかのようになります。鞭は服の上からでも良い音がしますよ。

■お客さん同士が仲良くなりやすいお店

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拘束具やマスクなど妖艶な雰囲気のオブジェが飾られている

 この日は祝前日の日曜日だったので、いつも以上の賑わいっぷり。

 最初のお仕事は、1日だけ働くことを事前に話していたレズビアンの友人たちが飲みに来てくれて、その接客でした。みんなからドリンクを頂きながら会話をしている合間に、従業員のコたちが紹介してくれて、初めてのお客さんたちにもご挨拶。シャンパンをたくさん開けているお客さんもいて、私もちゃっかりあやかりました。

 シャンパンでさらにエンジンがかかった頃、初来店の女性客が1人で入ってきました。そのお客さんに私の知っているお客さんたちを紹介すると、一緒に会話を楽しんでくれたようです。他にもKanadeがつなげて初対面で仲良くなった男性客同士が、会話に花を咲かせていました。1人でいらっしゃる方が多いお店では、このようにお客さん同士が仲良くなって、後日、一緒に飲みに来る場合もあり、そのようなときは「良い紹介ができて良かった」としみじみ思え、従業員にとってとてもうれしいことなのです。

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右の方にたくさんぶら下がっているのが鞭

 私は縛りや鞭打ちを教えてくれるバーに昔からちょこちょこ遊びに行っており、簡単な縛りや鞭打ちはできます。来てくれた友達を縛ったり、リクエストしてくださった初めての女性客のお尻を鞭で打ったりしました。鞭をふるった後、お客さんから感謝してもらえるのが、うれしかったです。

 ちなみに私は、先端が複数に分かれているのが特徴の“バラ鞭“という鞭を使いました。柔らかいスエード素材で、大きな音がするのに痛くなく、痕も残らない。鞭にもいろいろな形状や素材のものがあるんですよ。

 途中から衣装にアレンジを加えようと、店内に飾ってあるペニバンも衣装の上から装着してみました。店内が混んでいたので、お客さんや従業員とすれ違うときに私のペニバンが当たっちゃって「私のチ◯コがすみません」と言いながらすれ違っていたら、笑われてしまい……。苦笑だったかもしれませんね(笑)。

SMに市民権を与えたのは私です (立東舎文庫)