『家売るオンナ』最終話、業界内から「掟破り」の声! 『仰天ニュース』使った奇策とは
15年続く人気長寿番組『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)に先日14日、まさかの「仰天事件」が起きた。
「以前放送した福田和子の事件を、なんと丸々1時間再放送していたのです」(テレビ誌ライター)
放送中、ネット上では「福田和子、何回目?」「なんで今また福田和子なのかな?」「ネタ切れなのかしら……」などと訝しがる意見も見られた。
福田和子といえば「20の偽名、7つの顔を持つ女」として知られた稀代の悪女。1982年、愛媛県松山市で同僚のホステスを殺したのち逃亡。偽名を使い分けながら整形を繰り返し全国各地を転々とした。その間、キャバレーのホステスやホテルの清掃員、あるときは和菓子店の店主に言い寄って、後妻の座に就いた。捕まる直前で警察を振り切り、石川・金沢から自転車で名古屋まで逃げたこともあったという。
当時の強盗殺人罪の公訴時効は15年。日に日に迫る時効を前に、ワイドショーは彼女の整形写真や肉声を公開するなどして、逃亡生活を連日伝え、全国にその名が知れわたった。
そして福田は、時効成立まで21日と迫った97年7月29日、行きつけのおでん屋から出てきたところを刑事に取り囲まれ、逮捕された。それは、店の常連客の、機転を利かせた情報提供によるものだったという。
「そんな歴史的事件を、『仰天』は2009年12月30日の5時間半スペシャル『超A級女の大事件!大変身ビューティ祭り』の中で放送。福田を含む『第2部』は18.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)の高視聴率を記録しました」(前出ライター)
そして7年後に再放送。なぜこのタイミングで放送したのだろうか?
某局の編成マンは、「当初放送を予定したネタが、何らかの事情で取りやめになったのでしょう。普通はVTRを見ているスタジオのリアクションがワイプで映りますが、それもなかったため、急きょ差し替えた可能性が高い」と話す。
しかし某局のバラエティ担当者は、「確信犯」だと言い切る。『仰天ニュース』後のドラマ『家売るオンナ』のためだというのだ。
「福田和子を特集したこの日の『仰天』は、13.5%を記録。通常10%前後の同番組にとっては久々の高視聴率です。そして、その後、午後10時から放送された『家売るオンナ』の最終回も、番組最高となる13.0%でゴールインしました。つまり『家売るオンナ』をアシストするため、過去に数字が獲れた作品を、あえて入れ込んだと考えられるんです」(前出・バラエティ担当者)
この「掟破りの差し替え作戦」が成功したからまだいいが、何度も同じ手法を取っていれば、視聴者の信頼は失われていくだろう。また、『仰天ニュース』そのものについても、評判は芳しくないようだ。
「この番組は自転車操業。ネタにするニュースが“枯渇”しているんです。しかも類似番組に『奇跡体験!アンビリバボー』(フジテレビ系)がありますから、ネタの取り合いは必至。『アンビリバボー』で放送した事件が、翌週『仰天』で紹介されていた、なんてこともあった」(前出・編成マン)
最近はミステリースポットに潜入する「仰天なぞとき隊」や、アシスタントの久野静香アナウンサーが漁師として活躍するロケなど、再現ドラマ以外にも手を広げている『仰天ニュース』。今後は、『アンビリバボー』と差別化を図っていくのだろうか?
(後藤港)