借金は2000万円とも!?

ホストにハマる女性の心理 なぜ借金をしてまで通ってしまうのか?

2016/09/13 15:00
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ホストクラブに通うために風俗で働くリナさん(仮名)

 女優・坂口良子さんの長女でタレントの坂口杏里が、今秋に芸能人専用レーベル「MUTEKI」からAVデビューすると報じられた。坂口はホストクラブ通いで多額の借金を背負い、その返済のためといわれている。なぜ、借金をしてまでホストクラブにハマってしまうのか? 彼女たちは何を求めて通うのか? ホストにハマる女性の心理を探った。

■売れっ子なのに、ガツガツしてないところに惹かれた

 話を聞いたのは、リナさん(仮名26歳)。彼女は22歳の時から、歌舞伎町のホストクラブに通い始めた。

「きっかけはキャッチでした。当時、歌舞伎町のキャバクラで働いていたんですけど、指名が取れず、お給料は少なかった。そんな時に声をかけてきたのが、飲み放題1,000円というホストのキャッチでした。それ以来、安く飲めると知り、いろんなホストクラブを初回料金で飲み歩くようになりました」

 現在、路上での客引きは禁止されているが、3年ほど前まで、このような低価格で声をかけてくる客引きが多くいた。これは最初のみの「お試し価格」だが、初回飲み放題500円や、中には「タダでいいから飲みに来て!」と言うキャッチもいたという。それ以来、すっかりホストクラブにハマってしまったリナさん。最初はストレス発散のつもりだったが、ある日、初回で行った店で、1人のホストと出会った。


「完全に一目惚れでした。それまで、連絡先を教えることはなかったのに、初めて自分から電話番号を聞きました。その日以来、連絡を取るようになったけど、彼から『店に来て』と言うことは一切なかった。そんなガツガツしてないところにも惹かれました」

 それから2週間後、彼に会いに、再び店を訪れた。当時のホストクラブのセット料金(酒代は別の基本料金、席料)は、フリータイム1万3,000円~1万7,000円。初回はハウスボトル(ボトルを入れていない客用の、店で用意されたボトル)が飲めるが、2回目以降はボトルを入れなければいけない。一番安いボトルを入れても、最低2万円はかかる。リナさんは念のため……と多少のお金を持っていたが、席に着いた彼が注文したのは、一番安い焼酎だった。

「売れっ子なのに、金額を安く抑えてくれたのが、うれしかったんです。それ以来、お金が入る度に店に通うようになりました。それでも、キャバクラの給料では月に2~3回の最低料金が精いっぱい。2カ月ほど通った頃、彼のバースデーイベントが近いうちにあると知ったんです。彼は『無理して来なくていいよ』と言ってくれたけど、細客(お金をあまり使わない客)だから来なくていいってことなのかなと思ってムカつきました。それなら、シャンパンくらい入れてやろうじゃないかって」

■私を信じてくれる気持ちを、裏切れない

「シャンパンを入れると決めても、キャバクラの給料じゃ10万円が限界でした。ドンペリのピンクを入れるなら、最低20万は必要になる。キャバクラ勤めじゃ消費者金融でも大した額は借りられないので、知り合いのスカウトマンに『20万ほど、すぐ稼げる仕事はないか?』と相談しました。スカウトマンは『20万円貸してあげるから、新しくできたデリヘルに1カ月入店しないか?』と提案してきました。一瞬、戸惑いましたが、彼のためだし、1カ月だけなら……と了承しました。“風俗に堕ちた”という感覚はなかったです。むしろ初日のお給料を見て、こんなにもらえるのかと興奮しました」


 バースデーの日、リナさんはドンペリのピンクを2本入れて、合計35万円使った。彼も明らかに、いつもよりも甘えてきた。それ以来、リナさんはキャバクラを辞め、デリヘルで働き始めた。彼は「無理するなよ」と言ってくれたが、その優しさは、余計にリナさんの心をかき立てた。今では、彼の店の月末の締め日やお茶引きの日(客を一人も呼べない日のこと)のみ行き、売り上げに貢献しているという。

「ホストって、煽って大金を使わすイメージだったから、彼のようなホストもいるんだなと思って、ハマっちゃいました。もちろん、そういう営業だとわかってる。仕事がつらくて、何度も行くのをやめようと思ったこともあったけど、彼は、私なら困った時に絶対助けてくれる――って信じてる。その気持ちを、裏切れないんです」

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