サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「nina’s」の専業/WMの刷り込みがすごい カルチャー [女性誌速攻レビュー]「nina’s」9月号 女児持ち専業主婦はゆったり、男児持ちWMはカツカツ……「nina’s」の属性刷り込みがスゴイ 2016/09/10 19:00 女性誌速攻レビューnina's ■「子どもがいる」はママにとって最高のエクスタシー 続いては「デザイナーmamaのスタイルある暮らし」。「nina’s」理想のWMとは、やはりこの人たちでしょう。リードには「ママとして、そしてひとつのブランドを作り上げるクリエイターとして、毎日どんな日々を過ごしてそのクリエイティビティを保っているのか、また子どもとどんな暮らしをしているのか…」とあります。 「nina’s」お馴染みのスペイン在住デザイナーや女優兼デザイナーの野波麻帆ら、ママ業とデザイナー業を両立しているクリエイティブな母さんがデザインのポリシーや育児と仕事の切り替え、子どもがいる悦びなどを語ります。 「私にとっては、現場から帰ってきても子ども達の顔を見れば、必然的に母のスイッチが入るので、そこが最大のリセットです。家庭がなかったらかえって大変だったかなって思う。だから子どもたちには助けられています」 「衣食住全部、その季節を感じたいと思っています。子どもが生まれてから、1か月がものすごく早く感じて。春だったのにもう夏で、冬の服を作っていたりして。もっと季節を大事にしよう。オクラ、夏ね! って体で感じたい」 人間に与えられた時間は有限。仕事にのめり込めばのめり込むほど、どうしたって家事や育児にあてる時間は少なくなる。時にまとわりついてくる子どもを恨めしく思ったお母さんもいるでしょう。デザイナーmamaたちは、そんなママたちのジレンマをヒラリと飛び越え、「子どもたちと一緒にいられる時間は、一生から考えたらものすごく短いってそのときに気付いて」「子どもがいると、打ち合わせなど明日行きます! っていうのは難しいし、実際思い通りにいかないことは100倍増えたのですが、その中で楽しみを見つけてやりたい」「むしろ出産前よりもエッジが効いた部分があるかもしれません(笑)。ファッションを楽しみたい気持ちは、より強まりました」と、子どもがいる意味、子どもがいる今だからこそ得るクリエイティビティを語るのです。 おそらく「nina’s」読者たちはデザイナーmamaたちを羨ましく思う一方で、自分たちも同じ“ママ”という属性であることを誇らしく感じているはず。それが、この雑誌が支持される所以だと思うのです。あのママたちは子育てをあんなプラスに考えているのに、私はどうして旦那が手伝ってくれないとかママ友づきあいが辛いとか、そんな小さなことに悩んでいるのかしら……と。「nina’s」はこうして今日も少しずつ無垢なるママたちを幸せな思考停止に追い込んでいくのでしょう。 (西澤千央) 前のページ12 最終更新:2016/09/10 19:00 Amazon nina's(ニナーズ) 2016年 09 月号 [雑誌] ニナーズ読者って「子どもが生まれる前の自分」の記憶なくしてそうだな 関連記事 育児の株価を上げるために、「nina’s」で改心を叫ぶ元夜遊び系アーティストママたち!圧力鍋やレイコップに罪悪感……「nina’s」の頑張らない子育てがしんどい日用品は外国製なのに、七五三は伝統的に! 良妻賢母が愛国と結びつく「nina’s」ママ不便な住まいと過度なご近所付き合い……「nina’s」のオシャレな暮らしはハードル高め!「nina’s」入園入学手作りグッズ企画に見る、手作り=母性という強迫観念 次の記事 『ブリジットジョーンズの日記』劇場鑑賞券プレゼント >