足立香代子先生インタビュー

「水を飲んでる」だけではNG? 管理栄養士が教える夏場の正しい水分補給

2016/08/07 17:00

■トイレは水分不足のバロメーター

――水分不足に陥りやすいシチュエーションなどはありますか?

足立 一番気を付けてほしいのは就寝中です。夏場などの暑い時期は一晩で500mlほどの汗をかくといわれていますが、途中で補給できないので出ていく一方となり、脱水症状や熱中症を引き起こしやすくなります。寝る前にしっかり水分を摂っておきましょう。炎天下で体を動かすときも汗の量が増えるので、1リットルくらいは飲むようにしてくださいね。夜中トイレに起きたくない、野外でトイレを探すのが面倒などの理由で水分を控える人がいますが、とても危険な行為です。

 それから、アルコールも熱中症の危険因子です。アルコールが体内で燃焼するときに水が必要な上、ビールには利尿作用もあるので、水分を奪われて脱水してしまいます。でもね、どんな場合であっても症状が出てからでは遅いんです! 水分が不足する前に補ってあげることが大切なんですよ。

――ただ、自分の体が水分不足だと気づくのはなかなか難しい気がします。


足立 水分不足を予測するのはとっても簡単です。人は1日に平均6~7回尿意を感じてトイレに行くのが普通です。もしこれより少なければ、水分摂取量が足りていないということ。夏場は汗をかくからトイレに行く回数が減ると思われがちですが、それは大間違い。どんなに暑い日でも平均回数トイレに行きたくなるような水分の摂り方をしないといけません。

 それから、尿の色もバロメーターになります。血中の水分が薄くなると老廃物の濃度が濃くなって、尿の色も濃くなります。朝一番の尿が濃いのはそのため。ただ、日中も濃いようであれば水分が足りていない証拠です。水分は少ないより摂りすぎくらいの方がいいので、できるだけたくさん摂取するようにしてくださいね。

――効率的に水分と塩分を摂取できるおすすめの方法はありますか?

足立 “飲む点滴”と言われる経口補水飲料は、ほどよい塩分濃度の水分を手軽に摂取できます。ただ、一般的なスポーツ飲料の塩分量は1グラムに満たないので、ひとつまみの塩を加えるか、梅干など塩っ気のあるものと一緒に口にしてくださいね。もう1つおすすめなのが、私の考案した「キウイの手もみスムージー」。キウイは食物繊維やビタミン、カリウムやマグネシウムなど栄養素が豊富なので、塩分を足してあげれば点滴と同じ栄養成分を補えます。もちろん美容にも効果的。

 スムージーはカットしたキウイをジッパータイプのビニール袋に入れて手で揉み潰し、そこに塩1グラムと水100mlを入れるだけ。冷凍したキウイを使うと、夏場はよりおいしくいただけますよ。
(取材・文=千葉こころ)


最終更新:2016/08/07 17:00
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