ぺこ&りゅうちぇるが出演する、「18歳選挙権」動画広告の元も子もないところ
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎製作費いくら?
18歳を選挙へと誘うために作られた、ぺこ&りゅうちぇるの動画広告。初めからマッド狙いなのは重々承知の上でも、何かにつかまりながら見ないと、どっかに吸い込まれそうで怖い。この動画が「選挙行こう」に直結する人も怖い。正直選挙に来てほしくない気もするが。いないことを祈って。
イギリスの高校生が、ユーロ残留派と離脱派に別れて討論してるのをニュースで見たけど、しっかりしてんなぁ。ガイジン見て「しっかりしてる」っていうのもまた昭和な安直だが。
もし外国であんなCM流したら、18歳はみんな怒り出すと思うんだが。ぺこ&りゅうちぇる、2人とも18歳じゃなくてもう20歳というのが最大のオチ。だから選挙権は20歳からでいいってことじゃないのか。
◎ご提案
大好評のうちに終わったNHK土曜ドラマ『トットてれび』。昭和のあの辺の芸能史ってのは、やっぱり金脈なのだということがよくわかった。しかしそれを描くには、あの規模の時間と手間と金が必要なのだということも。NHK以外でやれる局はないってこともよーくわかった。独占企業。
次は美輪明宏かな。今度こそ朝ドラでじっくり。「初の男性主人公」ってのもLGBTはやり(はやりじゃないけど)の今の世に合ってる気が。主演は誰だろ。なかなかの力量必須だ。誰もいなければ、また満島ひかりにやってもらえばいいか。
◎三つ子の魂
時間埋めのための暇ネタとしてワイドショーで報じられた「保阪尚希、通販コンサルタント業開始」。俳優、タレント、歌手、料理研究家、レーシングドライバーと、キムタクドラマのようにいろんな職業を転々としてきた保阪尚希。転々ってことは、どれも軌道には乗ってないってことであるのだが。
実は彼の最初の結婚相手が知り合いだった。当時無名だった彼は、自称・俳優として、嫁の知り合いにマハラジャの奥で怪しげな宝石売ってたもんである。あの時の軽やかな口調を思い出した。一周回って、生業に戻ったということなんだな。人間の性根って、結局生涯変わらないって話である。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。