カルチャー
「北欧サマーパーティーinアイスランド大使館」レポート

北欧イベントでわかった、現代の日本女性が“北欧”に惹かれ続ける理由

2016/06/25 19:00

■北欧男子の気質は、日本の女性が求める全てが詰まっている?

 イベント終了後、ヨウコさんに日本に来てからのことを詳しく聞いてみた。出会いや恋愛面で驚いたことについて問うと「今は慣れたけど、初対面で出会ってからそんなに時間がたっていないのに、恋人はいるのか、性癖はSかMかと質問されることに最初はとても驚いた」とのこと。北欧の人たちはシャイではあるが、恋人の有無の確認や告白といった作業よりも、流れで自然とお互いの距離が詰まることに重きを置くのだそうだ。さらに「日本に来てモテた?」と聞くと「確かに自国にいる時よりもモテている気がするんだけど、どうしてなの?」と逆に聞き返されてしまった。

 ヨウコさんの問いの答えは、会場の女性たちから集めた事前アンケートが参考になった。アンケートでは、北欧を好きになったきっかけや北欧で今一番気になること、北欧男子に聞きたいことの項目が並んだが、その中で、インテリアや映画、旅行と同じくらい、北欧各国が誇るジェンダー平等指数の高さや、北欧における女性の自立、そして自立した女性との恋愛事情への関心が目立った。

 立派な体格や何でも引っ張ってくれる男らしさなどに惹かれ、主に欧米白人を中心とした外国人を好む女性は多いが、北欧男子に興味を持つ女性たちは少し様子が違う。整った顔立ちに白い肌、スラリとした体つきといった外見を求めているのではなく、北欧の社会としての在り方と、そこで育って培われた価値観を持つ男性自身、そして彼らの女性への考え方に惹かれているようだ。

 会場の女性の多くは仕事帰りと思しき様子だった。女性が経済的にも精神的にも自立していく中で、恋愛や結婚の縛りは旧態依然であるなど社会的性差に関する言及に辟易とすることが多い昨今。そんな中で、主体的な女性を受け止める優しさと、仕事も家事育児も男女平等が当然であるという考えを持ち、穏やかではあるが恋愛に消極的というわけではない北欧男子特有の傾向は、現代の日本女性の理想形と言えるのかもしれない。

 北欧好きの女性はインテリアや雑貨といった表層的な魅力だけでなく、仕事や恋愛に通じる社会的な価値観も含めて、北欧や北欧男子に魅力を感じていることがわかったイベントであった。
(石狩ジュンコ)

映画『好きにならずにいられない』公式サイト
東京 ヒューマントラストシネマ有楽町 現在公開中
7月2日(土)~ 愛知 名演小劇場
7月9日(土)~ 静岡 静岡シネギャラリー
7月16日(土)~ 茨城 MOVIXつくば、広島 シネツイン
7月23日(土)~ 大阪 シネ・リーブル梅田、埼玉 MOVIX三郷、東京 MOVIX昭島、長野 シネマポイント
8月13日(土)~ 北海道 シアターキノ 順次公開 京都 京都シネマ 兵庫 元町映画館 福岡 KBCシネマ他

最終更新:2016/06/25 19:00
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