「婦人公論」の性に貪欲すぎる女性から見えてきた、“婚外恋愛処方箋の3カ条”
今号のレビューは、特集の前にルポ「虐待死ゼロを目指す『赤ちゃん縁組』とは」から始めたいと思います。少子化が叫ばれて久しいですが、一方で虐待などの事件は後を絶ちません。子どもの虐待死は現代に始まったことではありませんが、現代だからこそ防ぐ方法があるのでは……と摸索する人々を追ったルポ。「厚生労働省によれば、2014年度に全国の児童相談所が虐待の相談・通報を受けて対応した件数は8万8931件。前年度に比べて1万5192件も増加したという。しかも、虐待死した子どもの約4割が0歳児という現実が浮かび上がった」。
その中で注目を浴びているのが「赤ちゃん縁組」です。親が養育できない赤ちゃんをシステマティックに乳児院、そして児童養護施設へ送るのではなく、生後まもない時期から養子を望む夫婦へ結びつけることはできないか。「赤ちゃん縁組」は児相の現場で働く職員や民間ボランティアの手で草の根的に広がりを見せているといいます。人の一生を左右する問題だけに右から左へと簡単に解決する方法はありませんが、「婦人公論」世代がこれらの問題に興味を持つことは、「血縁にこだわる家族観」の変化へとつながっていくのではないでしょうか。
<トピックス>
◎虐待死ゼロを目指す「赤ちゃん縁組」とは
◎特集 女の悩みの処方箋
◎50代からのダイエット
■それでも絶対別れない
さて今号の特集は「女の悩みの処方箋」です。「老親の介護が始まり、看取りや相続の準備もしなくてはいけない。なのに、定年退職した夫は手伝うどころか、面倒を押しつけてばかり。年齢のせいか、体調だって思わしくないのに」。この短いリードの中に、特集テーマである「定年夫」「介護」「相続」「体調」の4項目が含まれているは、さすが! “とにもかくにも中高年女性の定番お悩みにお答えします”というのが特集の趣旨のようです。
アンケート「私たちが背負う憂鬱は1つじゃない!」によりますと、40代以降女性の悩み第1位は「体の不調」、2位以下「介護」、「気持ちの落ち込み」、「夫婦の関係」……と続きます。「元気があればなんでもできる」と言いますが、元気がないのに老親の介護やら定年した夫や自立しない子どもの世話やらを押し付けられ、さらに元気がなくなるという悪循環が見受けられます。「願いが叶う絵馬があるとしたら、何を書きますか?」という問いに寄せられた、「自分のことだけ考えていればよかった気楽な頃に戻りたい」(50歳・主婦)という回答が胸に迫ります。