【連載】美容整形Dr.高須幹弥に訊く!

“韓国整形トラブル”の実態をDr. 高須幹弥が明かす! 「機械油が注入されているんじゃ」

2016/05/30 21:00
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高須先生、よろしくお願いしま~す!

【第14回】「高須センセイ、どうして韓国で整形トラブルが多発しているの?」
すっかり“美容大国”のイメージを確立し、ここ10年ほどは、日本や中国から“整形ツアー”など、医療観光に赴く人も増えたという韓国。しかしその一方で、「整形失敗!!」「顔面が崩壊した……」といった恐ろしすぎる報告が方々から聞かれるように。世界的にも高い整形技術を誇っているといわれる韓国で、こうしたトラブルが頻発しているのはナゼ? 高須クリニック名古屋院・院長の高須幹弥先生、韓国の美容整形事情って、実際どうなんですか?

■センスや文化の違いと言葉の壁が招くトラブル
 韓国は日本の相場の半分近い料金で美容整形が受けられるから、女性に特に人気のようですね。あとは、韓国の女優さんにあこがれていたり、K‐POPや韓流ドラマが好きだったりする韓国至上主義の日本人にも人気だとか。ただ、韓国で整形する人は、韓流ブームの頃に比べれば、ずいぶんと減っているんじゃないかなぁ。それでも僕のところへ、“整形のお直し”に来る患者さんのうち5%くらいは、韓国で施術を受けた方なんですよ。

 その中で一番多いのは、デザインのトラブル。日本人は整形がわからないようナチュラルに仕上げてほしい人がほとんどなのに対し、韓国は風土的に整形が恥ずかしいことではないので、整形バレバレの顔であっても、キレイになれれば成功なんです。しかも、「この顔こそ美しい」という共通認識があって、医師の美的感覚でみんな同じデザインにされてしまうことが多い。韓国の女優さんが、みんな似通った顔をしているのもそのためです。でも、日本人は好みが細分化していて、同じパーツでも人によって希望するデザインがさまざまだから、「希望したデザインと違う」といったトラブルにつながってしまう。失敗を訴えても、韓国の医師の感覚では、成功しているわけだから取り合ってもらえず、泣く泣く国内で直すことになるわけです。

 また、メスを入れる手術の場合はダウンタイムがあるので、帰国して腫れが引いてから失敗がわかるということもあります。でも、再度韓国に渡るのは精神的・時間的な負担が大きいので、結局は泣き寝入り。中には、初めからそこをわかっていて、日本人をカモにする悪徳医師もいます。実際に手術痕から適当さがわかる患者さんも来られますから。

 本来であればカウンセリングでしっかり話し合うべきなんだけれど……韓国では言葉の問題がありますよね。言葉が通じないと通訳を介さなければいけないから、言いたいことや感情などが100%は伝わらないし、医師の言っていることもはっきりとはわからない。しかも直接会話するときと比べて、3倍くらい時間がかかるから、疲労感も募る。そんな状況で、細かなニュアンスの違いが積み重なって、両者の認識にズレが生じてしまうことも多々あります。


『整形美女(光文社文庫)』