コラム
仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」
「恋愛を成長につなげる」藤原紀香の“LOVE理論”が小っ恥ずかしく感じるワケ
2016/03/24 21:00
紀香が赤十字などのチャリティー活動に熱心なのも、“上から目線”と「人の役に立ちたい」が合体したからのように思うが、そもそも紀香は、というか、世の中には人の役に立っていない人も職業も存在しない。高額納税者であろう紀香は、国を潤しているという意味で、もっともわかりやすく「人の役に立っている」わけだが、紀香が求めているのはそんな地味なことではなく、「役に立ったら、その分だけ崇められる」ことではないだろうか。
「人を成長させてくれる」発言も、聞いているこちらが小っ恥ずかしい。恋愛をすることは、恋愛の“経験”が増えるだけであり、それが“成長”とどうつながるかは疑問である。それに、人が“成長”したかどうかを決めるのは、親や教師、上司といった第三者であり、自分ではない。“成長”とは、人に言ってもらうべき言葉なのである。
役に立ったら、崇めてほしい。他者が言うべき“成長”を自分で口にしてしまう。ここから考えられるのは「やった分は、きっちり回収する」という紀香の“ケチメンタル”である。
歌舞伎俳優・片岡愛之助との熱愛が報じられ、紀香の“献身”により、愛之助が肉体改造に成功したという報道がされていたが、尽くしたら尽くした分だけ、見返りを求めるのが“ケチメンタル”の特徴。愛之助、誠にご愁傷さまとしか言い様がない。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。最新刊は『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)。
ブログ「もさ子の女たるもの」
最終更新:2016/03/24 21:12