“バリバリ働く美しい母”を猛プッシュ! 育休明け復職前提の「Domani」が目指す女って?
「Domani」(小学館)4月号、白やライトグレーといった明るいカラーや、とろみ素材や透け素材といったものが見られ、すっかり誌面は春モード。「春は卒業、そして変わるチャンスです」という特集の言葉通り、連載がリニューアルしたり、新しく始まったりと変化があります。ところで「Domani」には、モデルの連載がいくつかありますが、蛯原友里さん&SHIHOさん&渡辺佳子さんが子持ちの「母」という看板で連載してる中、「妻」ポジションで語るのは小泉里子さんのみ。ということで、小泉さんのリニューアル連載「もやもや里子」をみていきましょう!
妻・小泉が何にもやもやしているのかと見れば、今号は「里子には迷いや悩みなんて…と思ったら、実はいろいろと思うことがあるそう。リアルな心のうちを語ります」というただの編集部からの宣誓文でした。35歳ですし、きっと出産のことなどで迷いや悩みがあるのでしょうか。山口智子さんのように「いろいろな選択」を語れる土壌が「Domani」にあるのか、期待しています! それにしても、母と妻のモデル&連載はあるのに、読者層にしている独身女の連載がないのはどういうことですか! 誌面でも現実社会でも「Domani」世代の「女」の肩身の狭いことったら……なんとかしてくれ!!
<トピックス>
◎35歳を過ぎて、もっと素敵な日々を送るために…そろそろ「卒業」したいこと
◎犬山紙子のLINE交換記 キラキラ女になれなくて
◎東村アキコの「ひとり王国」
■あこがれは「バリバリ働く美しい母」
巻頭でも新連載がスタートしています。「女 妻 母 働くいい女の『月曜16時』」は、女(独身)、妻(既婚、子どもなし)、母(既婚、子どもあり)の3人それぞれの仕事風景を撮影したオシャレな写真と、彼女たちが語る仕事・生活への思いが掲載されたもの。ここで、「母」代表は述べます。
「バリバリ働く美しい母を目ざし、とにかく笑顔で走っています」
「8歳の長男と3歳の長女のめんどうは歩いて3分の実家の両親がサポート」
「教員である夫は洗濯当番を担当、自身は帰宅後に家事を集中して行いチームプレイで乗り切っている」
夫の担当、洗濯だけって……少なくないですか……? これが仕事上でのチームだったら、チーム崩壊の危機だし! でも大丈夫、「Domani」の「働く妻」は旦那がイケダンじゃなくても気にしないのです。自分で稼いだお金を使って、世の中を回すことの方が大事なんです。なんせ誌面で紹介されるアイテムは、10万円超えのバックやパール、1万円超えのスキンケア商品がずらずらと並びます。お小遣い制だったら絶対無理ですよね。よく女性誌で見かける「子どもとお揃コーデ」や「プチプラ」は、ここではどこ吹く風。「誰かと同じじゃ嫌だから……」「毎日だって身につけられて、もはや私のアイデンティティ」なんて自意識プッシュプッシュのリードが踊り狂ってますよ。
“バリバリ働く美しい母”を目指す企画はほかにも。「『育休カジュアル』からの卒業!」では、「知的さのある着こなしで仕事に戻りたい!」とのキャッチからもお察しの通り、パートを始めるとかではなく、あくまで「復職」!! そして復職するにあたっての心構え、「GW、育休明けのママはどう過ごす?」という囲み記事もあります。「息子を連れてじぃじばぁば(私の両親)の家にお泊まり。急な出張の際にも不安にならないようトライアル」する方や、「旅行に出かけたら、職場で配るお菓子を準備」と、脇目もふらず「働く母」でございます。「時短? いやいやフルタイムで最前線に復帰よ!」という鼻息が聞こえてくるではないですか!
わかりました。「Domani」が目指すは、1億総活躍社会なのですかね。「わたししっかり活躍します」という主張が聞こえてきそうです。しかし、「働く母」ばかりでなく、たまには「働く独身女」にしぼった特集も見たいです!