【連載】夫の不倫相手を訴えた! 実録「慰謝料請求裁判」体験記3

夫の不倫相手と鉢合わせ その場では詰め寄らず、わたしが起こした行動とは……

2016/02/04 15:00

 閉店後、店の人間と常連で、ご飯を食べに行くということになり、わたしと中谷さんや、夫、そして夫の店で働く従業員の女性も参加することになりました。

 その従業員の女性とは年が近いこともあり、ちょくちょくと飲みに行ったり一緒に旅行に行ったりする関係でした。なので、「もしかして、このコなら事情を知っていて、味方になってくれるかも」と思いつき、次の居酒屋へと移動する道すがら、「ちょっと申し訳ないんだけど、あの女の人のこと、知ってる?」と尋ねたところ、「……ずっと黙ってて、ごめんなさい、本当は言いたかったんだけど、言えなくて」と泣きながら、夫とさなえが不倫関係にあることを暴露してくれたのです!

■「相手のひと、ものすごく気が強いですから」

 彼女いわく、夫から不倫の事実を知らされているのみならず、実は相談も受けている。しかも「店長、本当はずっと別れたがってるけど、相手が別れてくれなくて困ってるみたいです。土下座までして頼んだのに、絶対に相手が別れないって言い張ってるみたいで……もう、まほさんがどうにかするしかないですよ!」と言うではないですか。

 不倫の事実を確信し、「あぁ、どうしようもないなぁ」と呆れたような気持ちが湧いたと同時に、夫の気持ちはそこにないということを知り、胸がホッとしました。わたしが一番恐れていたのは「別れた」と言いながらも、水面下に潜って交際を続けられることだったからで「土下座してまで別れたい」と思っている相手と、それはないと踏んだのです。


 「本当はもっと証拠を固めてからって思ってたけど、あの人に『別れたい』って気持ちがあるなら、明日にでも相手を呼び出してもらって、ちゃっちゃと片を付ける!」と宣言したわたしに、従業員の女性は顔を曇らせてこうも言いました。

 「でもね、まほさん、気を付けてくださいね。相手のひと、ものすごく気が強いですから」

 しかし、いくら気が強いといっても、こちらは妻という立場です。しかも、夫の気持ちは、その女性にはない。ならば、解決はそう難しくはない……しかし、その考えは能天気すぎたことを、翌日、嫌というほど知ることとなるのでした。
(まほ)

最終更新:2019/05/17 20:06
はじめての不倫学 「社会問題」として考える (光文社新書)
ほっとしたのも束の間