東銀座ウェルズクリニック・大木美佳院長インタビュー

爪の変化は老化より病気を疑え 女性専門医が語る、本当に必要なネイルケア

2016/02/03 15:00

■最近の女性はタンパク質が不足しがち

――では、美しい爪を維持するための食事の秘訣はありますか?

大木 食事は大事ですね。当院では女性の薄毛治療も行っているのですが、髪の毛と爪って、ものすごく似ているんですよ。髪の毛はケラチン、爪は硬ケラチンで構成されていて、ケラチンはタンパク質を材料に作られるものなので、髪の毛にしても爪にしても、タンパク質がどうしても必要になるのです。

 しかし、最近の女性はタンパク質が不足しがち。摂取量は戦後と同じくらいだといわれています。タンパク質不足の原因の一端は、過度な見かけの美容志向と無理なダイエットにあるのではないかと思います。日本の20代女性の平均的な体形、さらに1日の摂取カロリーは、食糧難が社会問題となっている国と同じといわれているんですよ。爪を作るための材料が不足しているわけですから、栄養不足の方はキレイな爪なんて生えてくるわけがありません。

――タンパク質というと、どのようなものを摂取したらよいのでしょう?


大木 20種類のアミノ酸でタンパク質は構成されていますが、その中で爪の材料となるのがケラチンです。ケラチンにはアミノ酸のシステインやメチオニン、シスチンが必要。一番いいのはアミノ酸20種類がバランスよく全部入っている食材を摂取することです。バランスの良い食材を例として挙げるなら、卵やお肉。いろんなアミノ酸が入っているので、お肉は優秀な食材です。

 逆に植物性のタンパク質は爪を作る上で欠かせないメチオニンが入っていないので、野菜だけというのは危険。きちんと栄養学の知識のある方で、ベジタリアンの人はメチオニンが添加された食材を選んで摂取しますが、あまりよく知らない人はメチオニン欠乏のために爪や髪の健康に影響を及ぼす危険性があります。また、メチオニンは感情などに関連する神経伝達物質に必要なものなので、不足すると、鬱病などを引き起こすこともあるのです。

 あとは、ビタミンやミネラルも大切です。爪や髪の毛に必要なのは、亜鉛や鉄。これらが不足すると、当然髪や爪に悪影響が表れてきます。

 「どのくらいの量を食べるか」ではなく、質の良い食事を摂ることが大切なんです。量も軽く、タンパク質や栄養素もうすい食事を摂っている人がほとんどです。大雑把に言う、ご飯からの炭水化物よりは、タンパク質などの栄養素の多いおかずもしっかりと食べましょうということです。

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