不倫謝罪会見で露見した、ベッキーという便利な“イメージ”の実態
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎ボケを凌駕する現実
「ベッキーが不倫」。『クイズ 正解は一年後』(TBS系)で、有吉弘行が面白解答としてフリップに書いてそうなワードである。それくらい、ありえないイメージ。しかし、ベッキーもオンナだったんだなぁ。それも結構生々しく。
謝罪会見で「ファンの皆様」よりも「関係者の皆様」へのお詫びをうっかり先にして、メンタリティが露見してたが。思えばベッキー人気って、蜃気楼みたいなもんだもんなぁ。熱心なファンに支えられているというより、「嫌われる要素がなくて無難」という、イメージだけで勝ち残ってきたタレント。CM・MC・CM・MCで続いてきた永遠のしりとりに終焉が……。
「ベッキー」で喚起できるイメージって、コンセンサスが取れてて、特に芸人にとって使い勝手がよかったのに。「ベッキーじゃないんだから」「ベッキーみたいなこと言ってんじゃねーよ」等々。騒動後の有吉のツイートはさすがの一言だが、今回ばかりは救いきれないだろうな。しばらくはハレモノ扱いで誰もイジれないだろう。
騒動後のベッキーの振る舞いやいかに。AKB48の柏木由紀系・完全無視か、森泉系・うやむや路線か。森泉系かな。とりあえず今週末の『にじいろジーン』(フジテレビ系)の視聴率は上がりそうだ。
◎ラッシャー板前はなにを思う
ベッキーのディープインパクトがすごくて、消し飛んだ感があるが、神田正輝&三船美佳不倫報道もなかなかどうして。
もうここんとこずっと、ゴルフか若い女と遊ぶかしかしてない神田正輝であるが。唯一の仕事と言っても過言ではない『朝だ!生です旅サラダ』(テレビ朝日系)で、2人が雁首揃えるところ楽しみにしてたのに。裏で『にじいろジーン』とかぶってやんの。今週土曜の朝は大忙しだぁ。
◎ゴールデン帯で主演を張る男
年始のドタバタにまぎれて「主演ふなっしー」という、すごい隙間埋めドラマが放送されていた。『ふなっしー探偵』(フジテレビ系)。爆弾魔の陰謀から1300万人の命を守れ! だって。
年末の『NHK紅白歌合戦』では、発言権さえないオワコン扱いで、ねばーる君にお株を奪われていたふなっしー。しかしやっぱり「ドラマ主演」なんてキワモノ扱いすると、映えることこの上なし。ふなっしー主演ドラマが放送されたって事実だけで、ご飯一膳いけるもの。心躍るが、見はしない。
こうなったら、今後、ふなっしーでいろんなジャンルのドラマを作ってほしいな。「これから皆さんに殺し合いをしてもらいます」と、集められたゆるキャラたちが殺し合うサバイバルアクション、着ぐるみを被ると、前の持ち主の怨念が乗り移る戦慄のホラー、ベッキーもたじろぐドロッドロの不倫モノ。相手役は大渕愛子弁護士で、R指定の梨汁ブシャーッ!!
見はしないが、心は躍る。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。