2015年フジドラマにダメ出し!

フジのドラマはなぜ低視聴率? 『5→9』『オトナ女子』『アンダーウェア』にみる病巣

2016/01/01 19:00

◎『5→9』『オトナ女子』が象徴する迷走
 特に『5→9~私に恋したお坊さん~』と『オトナ女子』は見ていられなかった。前者は、若手脚本家・小山正太の軽薄だが勢いのある会話劇こそ見応えがあったが、全体のバランスがちぐはぐで、後半に行くほど何がやりたいのかわからなくなっていった。

 一方、『オトナ女子』は、篠原涼子演じるヒロインに小説家志望の元・ドラマ脚本家が辛辣なツッコミを入れることから、単なるアラフォー向け恋愛ドラマでは終わらない作品になるかと、当初は期待した。しかし途中から、あからさまな路線変更があったことで、こちらもちぐはぐなドラマとなってしまった。両作とも途中から新しい脚本家が1人参加しているが、この2作の迷走には、今のフジテレビの問題がわかりやすく現れている。

 繰り返しになるが、制作チームは優秀なのだ。しかし、今のような状態が続くと、ドラマスタッフも次々と辞めていく可能性もある。そうなった時、フジテレビのドラマは本当の意味で崩壊する。まだ間に合うので、フジテレビは目先の視聴率のとらわれずに、優秀な作り手が自由に作れる環境を死守してほしい。
(成馬零一)

最終更新:2016/01/01 19:00
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あらためて振り返ると社長がアレだなぁってシミジミ…